タイ財務省は2026年4月17日、今年度中に開始する「旧車新車交換プログラム」の詳細を発表した。第1フェーズの対象枠は先着1万〜2万台で、電気自動車(EV)またはハイブリッド車への乗り換えを支援する。ソフトローンで1件あたり上限200万バーツ、最初の1〜2年間は年利3.5%という優遇条件が設定された。
プログラムの目的は、老朽化した車両の削減と国内のEV普及促進だ。対象車両の基準(何年以上の車・どの程度の状態かなど)はまだ最終決定されておらず、2026年中に開始するが詳細は引き続き調整中とされた。交換に出された旧車の廃棄処理システムについても、環境省と連携して並行検討している。
枠が限られている理由は予算だけでなく、廃車処理インフラの整備にも時間がかかるためだ。財務省の担当者は「段階的な構造転換であり、慎重に進める必要がある。複数の交換サイクルを予定しており、第1フェーズで枠を逃しても次の機会がある」と説明した。
タイは東南アジア最大の自動車生産国で、日本メーカーが市場の8割以上を占める。近年は中国系EVメーカー(BYD・長城汽車・SAIC-HKMC合弁など)の参入が相次ぎ、価格競争が激化している。政府はEV普及を産業政策と環境政策の両面から推進しており、2030年までに生産台数の30%をEV化する目標を掲げている。
旧車交換プログラムはEV普及の「底上げ」として機能する可能性がある一方で、対象条件・申請手続き・廃車処理の不確定要素が多く残っており、実際の利用者にとって利便性が高いかどうかはまだ不透明だ。特に地方の中古車ユーザーが恩恵を受けられるか否かが焦点となる。タイの自動車保有台数は約1000万台を超えており、10年以上経過した車両も多い。




