メルセデス・ベンツは4月21日、新型C-Class EVをタイで公式に発表した。正式名称は「all-electric C-Class with EQ Technology」、モデルコードはC 400 4MATIC Electricで、内燃機関版C-Class(W206)の電動後継として位置付けられる。
パワートレインは前後デュアルモーターで合計出力489hp、トルク800Nm、4MATIC全輪駆動+2速ギアボックスを組み合わせる。0-100km/hは4.0秒、最高速度は210km/h(電子制御リミット)で、C-Classとしては初めてスポーツセダン領域の性能を電気で達成した。バッテリーは94kWhのリチウムイオンで、800Vアーキテクチャを採用している。
航続距離はWLTP基準で762kmと、1回の充電で首都バンコクからチェンマイを片道走りきれる水準に達する。DC急速充電は最大300kWに対応し、わずか10分で325km分の航続を追加できる。AC充電も22kWまで、V2L/V2H/V2G(車両から家庭・グリッドへの給電)も標準装備で、災害時やキャンプ先でも電源として機能する。
ボディは従来型W206より90mm長い4,883mm、幅は62mm広い1,892mm、高さも57mm増して1,503mmとなった。ホイールベースは2,962mmで97mm延長され、車室内は歴代C-Class史上最も広くなった。荷室は後部470L、フロントトランクに101Lの2重構造となる。
内装は39.1インチのシームレスMBUXスーパースクリーンが中心で、11種類のテーマを切り替えて運用できる。MB.OS「スーパーブレイン」はMicrosoft/Google AIと統合し、音声アシスタントが従来以上に賢くなる。Burmester 3Dプレミアムオーディオ、162個のLED星を天井に散りばめたSKY CONTROLパノラマルーフ、後輪操舵、AIRMATICエアサスペンションなど、装備は上位クラス並みに引き上げられている。
タイでの発売価格は本稿時点で未発表で、販売開始日も公式アナウンス待ちである。日本ではC-Class EVは未導入で、タイが先行販売市場の1つとなる見通しだ。タイのEV補助金(国産化要件付き)の適用可否は今後の焦点で、適用有無で数十万バーツの価格差が出る可能性がある。MB.EAプラットフォームはS-Class EVやE-Class EVと共通の次世代基盤で、C-Class EVの成否は今後のベンツEV戦略全体を占う試金石となる。