理容師エーク容疑者が起こした殺人事件で、事件の前日に店に居合わせた客へ「殺し方を探している」と明言していたことが新たに分かった。計画殺人を裏付ける決定的な証言で、これまでの「正当防衛」主張は一段と崩れつつある。
前回報じた鑑識が3つの矛盾で正当防衛主張を覆した続報からさらに1歩進んだ形になる。殺害予告は事件前日の4月16日に理容店内で行われた。エーク容疑者は客に対して「あの男が誰かわかった。殺す方法を探している」と口にしており、この証言が捜査当局によって確認された。
翌4月17日午後4時38分、被害者ティーはバイクで理容店に到着した。店舗のCCTVには被害者が非武装で入店する様子が記録されている。ところが店内では、15歳の目撃者が錠前をエーク容疑者が凶器として使い、2番目の妻モンと3番目の女性ケドが拘束を補助したと証言している。当初の「すりこぎで反撃した」主張は、凶器・拘束の両面で覆されつつある。
新たに明らかになったのは、3番目の女性ケドの背景でもある。ケドはエーク容疑者の「妻」とされてきたが、本人の主張によれば15歳のときから10年にわたって関係を強要されており、身体的虐待も受けてきた。ハンマーで殴られ肋骨を骨折したこともあると述べており、事件の構図は夫婦関係ではなくDV支配の被害者という側面を強く帯びている。
ケドには現在の交際相手「タオ」がおり、この事件の背景には「妻の浮気」というエーク容疑者側の主張がある。ケドが「ラオスの母を訪ねる」と嘘をついて家を離れる手助けをタオがしていたとされる。事件当日タオは店に行く予定だったが偶然不在で、難を逃れた。エーク容疑者が激怒し殺意を固めた相手は、事実上このタオだった可能性が高い。
計画殺人罪で3人(エーク容疑者、2番目の妻モン、3番目の女性ケド)がすでに保釈却下のまま勾留されている。ケドを共犯として起訴している点は、DV被害者としての側面と両立しにくく、今後の裁判では共犯性の認定をめぐって争点化する見込みである。殺害予告の証言が公判で採用されれば、計画殺人としての立証はほぼ固まる。

