メルセデス・ベンツは2026年4月20日、韓国で全電気自動車の新型CクラスEVを世界初公開した。GLC EVと同じ電動アーキテクチャを採用し、800Vの高電圧システムと航続距離800km(WLTP値)を実現したプレミアムセダンEVだ。タイ市場への導入時期はまだ発表されていない。
スペックと外観
ティザー画像に映った新型CクラスEVは、GLC EVと共通のプラットフォームを使い、フロントグリルが大型化されている。グリルは4段の横発光LEDを持ち、ヘッドライトにはスリーポインテッドスターのロゴをかたどったLEDが採用された。リアのCピラーにはオペラグラス風のウィンドウが垣間見える。
800Vシステムは超急速充電(DC)に対応し、短時間での充電が可能だ。800kmの航続はWLTP基準で、実際の走行環境では5〜20%程度低下することが多い。それでも600km以上の実用航続距離は長距離ドライブに十分対応する。
メルセデスEV戦略とタイ市場
メルセデス・ベンツはEQシリーズとして電動化を推進してきたが、近年は「EQ」ブランドを段階的に廃止し、従来のモデル名(Cクラス・Gクラスなど)にEVモデルを統合する方向にある。新型CクラスEVもその一環で、ブランドの連続性を重視した戦略転換だ。
タイ市場ではBMW i5、ポルシェ・タイカンなどの欧州プレミアムEVが既に販売されており、CクラスEVはそれらと競合する。タイの富裕層・外国人駐在員向けの需要は底堅く、プレミアムEVの需要は中国系エントリーEVとは別のセグメントで成立している。
非日本車のタイ市場
メルセデスはタイでは非日本車に当たる。日系メーカーが圧倒的なシェアを持つタイの自動車市場において、欧州プレミアムブランドは量的には少数だが価格帯が高く市場での存在感は一定だ。中国系EVの台頭で競争が激化するなか、メルセデスは付加価値・ブランド力で差別化を図る。