ソンクラーン期間中の2026年4月17日、ペッチャブリー県カエンクラチャン国立公園の「バーングラン・キャンプ」に30年ぶりに希少な大型夜行性鳥「ジャイアント・ナイトジャー(นกตบยุงยักษ์)」が姿を現した。情報が拡散するや否や、野鳥写真家と観光客数百人が集まった。
30年ぶりの姿
カエンクラチャン国立公園長のモンコン・チャイパック氏によれば、タイ国内外から訪れた野鳥写真家や観光客が興奮を隠せない様子だったという。ジャイアント・ナイトジャーはタイ国内でも撮影経験のない写真家が多く、「一生に一度の機会」として受け止められた。
バーングラン・キャンプはカエンクラチャン国立公園内の野鳥・蝶の観察スポットとして知られる。カメラマンたちが林道に並び、鳥が止まっている場所に列をなした。野鳥に過度なストレスを与えないよう、一定の距離を保ちながら交代で撮影が行われた。
ジャイアント・ナイトジャーとはどんな鳥か
ジャイアント・ナイトジャー(学名:Lyncornis macrotis)は、東南アジアから南アジアにかけて分布する夜行性の鳥だ。全長は約40〜50cmで、地味な茶褐色のカモフラージュ模様を持ち、日中は落ち葉の中に溶け込むように静止している。
夜間に活動して昆虫を捕食し、大きな口と短いくちばしが特徴的だ。英語では「ナイトジャー(夜の虫捕り鳥)」と呼ばれ、虫をつかまえる口の大きさや夜行性であることが名前の由来だ。タイ語では「นกตบยุง(蚊をたたく鳥)」といい、蚊のような昆虫を捕食する行動から来ている。
タイの野鳥観察文化
タイは多様な生態系を持つ野鳥の宝庫で、確認されている鳥類は1,000種以上にのぼる。カエンクラチャン国立公園はユネスコ世界遺産(自然遺産)候補として知られ、多様な希少種の生息地として世界的な評価を得ている。
タイには野鳥撮影を楽しむバーダー(野鳥観察者)のコミュニティが存在し、希少種の出現情報はFacebookやLINEグループで瞬時に共有される。今回もその仕組みが機能し、翌日には数百人規模の人が集まった。
野鳥観察は観光収入にもつながっており、希少種が姿を現した際にはガイドやキャンプ場が恩恵を受ける。一方で過度な観光客集中による鳥へのストレスや、植生の踏み荒らしが懸念される。公園側は適切な距離管理と静寂の確保を呼びかけた。


