タイ国内の結婚式に、まさかのポケモンカードブームが持ち込まれた。タイで開催されたある結婚式で、新郎が花嫁のブーケ投げの代わりに「ポケモン Mega Evolution Phantasmal Flames Elite Trainer Box」を空中に放り投げたところ、男性ゲストたちが一斉に飛びかかってもみくちゃになる映像がSNSで拡散し、タイ・日本・欧米のポケモン愛好家コミュニティで話題になった。
この限定ボックスはポケモンセンターが2025年11月から販売した商品で、11パックのカードを収録する。開封したゲストは中から希少カード3枚を引き当て、うち1枚がFull Art仕様の「リザードン」で、市場価格3900ドル(約60万円相当、当時)以上と評価されるカードだった。動画では受け取った人物が思わず床に崩れ落ちるシーンも撮影されており、「今年一番うらやましい瞬間」と称されている。
ポケモンカードはタイでも近年収集ブームが加速している。バンコク市内の大型ショッピングモールには専門店が増え、週末には希少パックを求める若者が列を作る光景が見られる。タイ語のポケモンカード関連SNSグループには数十万人が参加しており、希少カードのオークションでは数十万バーツ(数百万円)規模の取引も珍しくない。
日本ではポケモンカードの転売問題や争奪戦が社会問題化したが、タイでも同様の状況が起きている。2025年のタイ消費者保護委員会には、ポケモンカードの買い占めや偽造品流通に関する相談が寄せられている。今回の結婚式のエピソードは「こんな使い方もある」とポジティブな驚きをもって受け取られたが、争奪戦の様子は現代のカード熱狂の縮図でもあった。
ポケモンという知的財産はタイでも幅広い世代に親しまれており、1996年の日本での誕生以来30年で世界最大の商業ブランドの一つに成長した。タイの子ども向け教育コンテンツにも取り入れられており、文化的浸透は相当に深い。