タイ中央銀行(BOT)が4月8日、全国の金融機関に対し、燃料危機で苦しむ債務者への支援措置を講じるよう正式に指示した。中東紛争の長期化がタイ経済を直撃している現状を受けた異例の対応である。
BOTが求める支援策は3つ。第一に、元金の返済を一時的に猶予し利息のみの支払いを認めること。第二に、月々の返済額を減額すること。第三に、返済期間の延長や金利の引き下げである。
対象は個人だけでなく、中小企業(SME)も含まれる。燃料価格の高騰で運転資金が逼迫し、返済能力が一時的に低下している事業者が多いためだ。BOTは金融機関に対し、債務者からの相談に積極的に応じ、柔軟に対応するよう求めた。
背景にはディーゼルが50バーツを突破して以来の生活費高騰がある。南部のバス料金が値上がりし、市場の商売人が店をたたむ事態にまで発展した。収入が減る一方でローンの返済は変わらず、家計が破綻しかねない状況である。
BOTの措置は法的な強制力を持つため、銀行は対応せざるを得ない。住宅ローンや車のローンを抱える在タイの日本人も、返済が厳しい場合は取引銀行に相談する価値がある。中東情勢が好転するまでの時限措置とみられるが、燃料危機が長引けば延長される可能性もある。
