商工会議所大学がディーゼル価格の累計14.30バーツ値上げ(3月25日比)による経済への波及効果を試算した。結果はインフレ率4.56%への急上昇、民間消費の約10兆バーツ(約4.85兆円)減少、GDP成長率の0.56ポイント低下と、いずれも深刻な数字が並ぶ。
最も打撃を受ける10業種のうち、筆頭は石油精製業で、原油価格の高騰がそのまま操業コストに直結する。次いで海上輸送業が挙げられ、タイの輸出入を支える物流の大動脈が揺らいでいる。
物流コストの上昇は連鎖的に全産業に波及する。ロジスティクスコストは5〜10%上昇し、日用品・食品の価格は5〜8%の値上げが見込まれる。ソンクラーン支出が4年ぶり低水準と予測されるのも、この構造的なコスト増が消費マインドを冷え込ませているためだ。
タイの3経済団体はすでにGDP予測を1.2〜1.6%に引き下げており、今回の試算はそれを裏付ける形となった。中東情勢が長期化した場合、インフレは年間3.6%に達する可能性もある。
ディーゼル価格は47.74バーツまで上昇しており、値上げが止まる見通しは立っていない。物価高と景気減速が同時進行するスタグフレーションの懸念が現実味を帯びてきた。
