Thailog

タイの最新ニュースを日本語で

「中東戦争が続けば自動車輸出20万台が丸ごと消える」タイの基幹産業に警鐘

「中東戦争が続けば自動車輸出20万台が丸ごと消える」タイの基幹産業に警鐘

経済出典:Khaosod2026/04/01 16:00

タイの自動車業界が中東戦争の長期化で輸出20万台消失のリスクを警告。年間100万台超を輸出するタイの基幹産業に打撃。日系メーカーの工場稼働率にも影響の恐れ。

タイの自動車業界が中東戦争の長期化による輸出市場の崩壊リスクを警告した。中東向けの自動車輸出は年間約20万台で、戦争が続けばこの市場が丸ごと失われる恐れがある。

タイは「東南アジアのデトロイト」と呼ばれ、年間100万台以上の自動車を輸出する世界有数の自動車生産拠点だ。国内GDPの約12%を占め、関連雇用は約75万人に上る。トヨタ、ホンダ、いすゞ、三菱など日系メーカーがタイ国内に大規模な生産拠点を持ち、ここから中東・オセアニア・ASEANに出荷している。

中東はASEAN・オセアニアに次ぐタイの重要な自動車輸出先だ。年間約20万台はタイの総輸出の約2割にあたる。ピックアップトラック(いすゞD-Max、トヨタHilux等)が特に人気で、中東の建設・鉱業需要に合致していた。

戦争の長期化で中東諸国の経済活動が停滞すれば、新車需要が蒸発する。さらにホルムズ海峡の航行リスクで海上輸送自体が困難になっている。

タイの自動車産業団体AUMOVIOは、戦争で自動車部品の調達コストが上昇し「値上げは不可避」と発表している。バンコクモーターショーでは41,778台が予約される一方、国内市場も燃料高で消費者が購入を控える動きが出ている。いすゞタイは2026年の販売目標77,500台に暗雲と認めた。

中東向け輸出の大部分は日系メーカーの車両だ。タイの日系自動車工場は「世界への供給拠点」として位置づけられており、中東市場の消失は工場の稼働率低下と雇用削減につながりかねない。在タイ日系企業にとって注視すべき事態だ。

GDP予測が1.2〜1.6%に引き下げられた中、自動車産業の停滞はタイ経済全体の下押し圧力となる。