タイの自動車生産が2026年2月に回復した。前年同月比で3.43%増加し、輸出用乗用車は22%増、EV(電気自動車)は62%増となった。ブローカー調査では投資銘柄としてSTANLY(スタンリー)が推奨された。
2月の生産統計
2026年2月のタイ自動車生産台数は前年同月比3.43%増だった。中東情勢に端を発した燃料危機・原材料高騰という逆風が続く中での回復は、タイの自動車産業の底堅さを示した。
特に目立つのは輸出向けの乗用車の22%増だ。タイは東南アジアで最大規模の自動車生産国の一つで、トヨタ・ホンダ・イスズ・マツダなど日系メーカーが大型工場を構え、完成車のほかエンジンや部品も輸出している。
EV生産の62%増
BEV(純電気自動車)の生産台数は前年比62%増と急伸した。政府の「30@30」政策(2030年までにEV生産比率30%)を背景に、中国系・日系メーカーがタイでのEV生産を加速させている。特にBYD、GWM(ハバル)、NEATAなどが現地生産を本格化させており、数字に表れてきた。
62%増という数字は絶対量が小さい中での伸び率でもあるが、方向性は明確だ。EVへの移行が急ピッチで進む中、部品・電池サプライチェーンの整備も課題となっている。
STANLY推奨の背景
あるブローカーレポートではSTANLY(スタンレー電気のタイ子会社)を自動車セクターで最注目銘柄として挙げた。配当利回りが約10%と高く、財務体質が強固であることが理由だ。
STANLYはタイでの自動車用ランプ・照明部品の主要サプライヤーで、国内外の自動車メーカーに供給している。EV化が進んでもランプ需要は維持されるほか、LEDランプへの移行に伴う新規需要も期待できる。高配当・割安感から、外部環境の変動に対するディフェンシブ銘柄としての評価が高まっていた。
タイ自動車産業の課題
回復傾向は明るい材料だが、中東情勢の長期化による原材料・エネルギーコストの上昇、中国系EV勢との競争激化、国内需要の低迷は引き続き課題だ。2026年の国内乗用車販売は燃料高・物価高の影響で伸び悩む見通しも出ており、輸出に依存する構造が続く。