タイの自動車情報サイトAutolife Thailandがまとめた2026年4月の小型MPV(6〜7人乗りの多目的車)販売台数で、トヨタ・ヴェロスが437台、シェア49.9%で首位に立った。ヴェロスがこのセグメントの首位に返り咲くのは約1年ぶり。2位の三菱エクスパンダー(320台)と合わせると、日本勢2車種でセグメントの9割近くを占めた。手ごろな価格で多人数を乗せられる小型MPVは、タイの家族層に根強い人気がある。
ヴェロスとエクスパンダーで市場の9割
4月の小型MPVは、首位のトヨタ・ヴェロスが437台でシェア49.9%と、ほぼ半分を握った。2位は三菱エクスパンダーで320台(36.5%)。さらに5位にスズキXL7(9台)が入り、日本勢3車種の合計は766台、セグメントの約87%に達した。
ヴェロスとエクスパンダーは、どちらも7人乗りでありながら手ごろな価格に抑えられているのが魅力で、タイの家族連れや、配車サービスのドライバーなどに支持されてきた。いずれも東南アジア市場を主なターゲットに開発された車種で、実用性と価格のバランスをとった小型MPVの代表格といえる。トヨタとダイハツが共同開発したヴェロスと、三菱が独自に展開するエクスパンダーが、長くこのセグメントの2強を形づくってきた。
中国・韓国勢も食い込む
日本勢が強いこのセグメントにも、ほかの国のメーカーが入り込んでいる。3位には中国・BYDの「M6」が59台(6.7%)で入った。M6は完全な電気自動車(EV)で、MPVの分野にもEV化の波が及んでいることを示している。4位は韓国・現代自動車のスターゲイザーで51台(5.8%)だった。
全体の規模は月876台と大きくはないが、ヴェロスやエクスパンダーといった売れ筋に、中国のEVや韓国車がどこまで割って入れるかは、今後の市場の動きを見るうえで興味深い。
家族の足としての小型MPV
小型MPVは、SUVほど価格が高くなく、それでいて3列シートで多人数を乗せられることから、タイでは実用的な「家族の足」として定着している。送り迎えや週末の外出、大家族での移動など、使い勝手の良さが支持の理由だ。
タイでは、ピックアップやエコカーと並んで、こうした手ごろな多目的車が幅広い層に売れる。日本メーカーが長く強みを発揮してきた分野だが、EVや新興ブランドの参入で、選択肢は少しずつ広がっている。価格と使い勝手で選ばれる小型MPVをめぐる競争は、タイの自動車市場の裾野の広さを映している。




