観光都市として知られるタイ・パタヤの中心部で、地下道へのバイクの進入が全面的に禁止された。パタヤ市警察の交通課が、すべての通行者の安全を理由に、二輪車が地下道に乗り入れることを厳しく禁じると発表した。当局は、住民や通勤者だけでなく、観光客に対してもこの規制を守るよう強く呼びかけている。
対象となるのは、パタヤ中心部を通る地下道(アンダーパス)である。これまでもバイクの通行には危険が指摘されていたが、今回、二輪車が地下道に下りて走ることが完全に禁止された。警察は取り締まりを強化する方針を示しており、違反すれば処罰の対象となる。
地下道やトンネルは、自動車が比較的高い速度で走り抜ける構造になっている。路肩が狭く、いったん入ると途中で止まったり引き返したりしにくい。視界も悪く、車体の小さいバイクは大型車から見えづらいため、追突や接触の危険が高い。さらに雨季のタイでは地下道に雨水がたまりやすく、冠水すればバイクは特に立ち往生しやすい。こうした理由から、地下道を二輪車の通行から切り離す動きは理にかなっている。
中心部の地下道は、東西の交差点の渋滞を避けるために造られた便利な抜け道だが、その構造ゆえに二輪車には危険が大きい。バイクの利用者は今後、地下道の上を通る一般道や迂回路を使うことになる。距離や時間が多少増えても、安全を優先する判断が事故を防ぐ。
パタヤはレンタルバイクを足にする観光客が多く、土地勘のないまま中心部を走るケースも少なくない。地下道に入ろうとして、禁止に気づかず進入してしまう例も起こりうる。標識や警察の誘導に従い、遠回りになっても安全な経路を選ぶことが求められる。
パタヤがあるチョンブリ県は、観光客の多さもあって交通量が多く、バイクの事故が後を絶たない。世界保健機関(WHO)などの統計では、タイの交通事故死者は人口比で世界でも高い水準にあり、その大半が二輪車の利用者だとされる。慣れない土地でバイクを借りて走る旅行者は、ただでさえ事故に巻き込まれるリスクが高い。
パタヤ中心部は慢性的な渋滞を抱え、観光客と地元住民の車やバイクが入り混じる。今回の地下道の規制は、そうした環境での事故を一つでも減らすための措置といえる。パタヤを訪れてバイクを利用する人は、中心部の地下道が二輪車通行止めになった点を頭に入れておきたい。