日本発の人気ラーメンチェーン「シャブトン(Chabuton)」が、タイ国内の全店舗を閉店すると公式に発表した。残る2店舗の最終営業日は、バンコクのゲートウェイ・エカマイ店が6月10日、セントラル・ラードプラオ店が6月14日で、16年続いたタイでの歴史に幕を下ろす。公式ページは「16年間、特別な一杯と、お客さまの幸せの一部になれたことを心から光栄に思う」と感謝の言葉を残した。
最後の2店舗と閉店スケジュール
シャブトンの公式ページは6月1日、タイに残る2店舗の営業を終えると告知した。最終営業日は、ゲートウェイ・エカマイ店が6月10日、セントラル・ラードプラオ店が6月14日である。かつてはサイアム・パラゴンやターミナル21といった主要な商業施設にも店を構え、複数の店舗を展開していたが、近年は数を絞り込んでいた。今回の2店舗の閉店をもって、タイ市場から完全に撤退することになる。タイでの運営は、セントラル・グループ系の外食企業CRG(セントラル・レストラン・グループ)が担ってきた。
シャブトンとはどんなラーメンだったのか
シャブトンは日本発のラーメンブランドで、本格的なとんこつ系の味で知られてきた。タイには16年前に進出し、日本式ラーメンがまだ珍しかった時期から、商業施設のフードゾーンで手軽に本場の一杯を味わえる店として定着した。日本食ブームの広がりとともに認知を高め、在住日本人だけでなくタイ人の常連も数多く取り込んできた。手の届く価格で本格的なラーメンを出す店として、タイに日本式ラーメンが根づく過程で名前の挙がるブランドの一つだった。
相次ぐ日本食チェーンの撤退
ここ数か月、タイでは長く親しまれてきた飲食店の閉店が相次いでいる。バンコクのイチロー焼肉ビュッフェは14年の営業を経て5月末に店を閉じ、コラートでは34年続いたダンキンドーナツの店舗が姿を消した。背景には、原材料費や人件費の上昇、そして消費の伸び悩みがある。
バンコクは日本国外でも有数の日本食激戦区として知られる。ラーメン専門店だけでも数多くがしのぎを削り、現地資本のチェーンや個人店も次々と参入してきた。選択肢が増えたぶん一店あたりの集客は分散し、賃料の高いモール立地では損益分岐点も上がる。知名度のある老舗ブランドであっても、こうした環境のなかで採算を保ち続けるのは容易ではない。
16年慣れ親しんだ味を惜しむ最後の機会
シャブトンは、タイで日本式ラーメンが広がるきっかけの一つをつくったブランドだった。商業施設で気軽に立ち寄れる存在として、日本食に親しむ入り口の役割も果たしてきた。日本式ラーメンが今やタイの食シーンにすっかり定着したことを思えば、その一翼を担った老舗の退場は一つの時代の区切りでもある。最終営業日まで残された時間は短い。16年間慣れ親しんだ味を惜しむ人にとっては、ゲートウェイ・エカマイ店の6月10日、セントラル・ラードプラオ店の6月14日が最後の機会になる。

