バンコクのチョークチャイ4-ラドプラオ地区で14年続いた炭火焼肉ビュッフェ「Ichiro Yakiniku(イチロー焼肉)」が、2026年5月31日で閉店する。公式Facebookページで発表されたもので、理由は2年連続の赤字。経済不振が地元の老舗ビュッフェ店をついに撤退に追い込んだ形だ。バンコク在住日本人にもなじみのある焼肉店の幕引きで、タイ外食業界の構造的不振を象徴する事案となった。
ラドプラオの「Ichiro Yakiniku」が5月31日閉店、14年の歴史
「Ichiro Yakiniku イチロー焼肉ビュッフェ炭火焼肉」は、バンコクのチョークチャイ4ーラドプラオ通り71エリアに位置し、地元住民と在タイ日本人駐在員に14年間愛されてきた炭火焼肉ビュッフェ店だ。創業以来、リーズナブルな価格設定とビュッフェ形式の食べ放題で、家族連れや会社員、留学生など幅広い層を集めてきた。今回のFacebook告知では「2026年5月31日が最後の営業日」と明記され、感謝の言葉が綴られた。
経済不振で2年連続赤字、Facebookで閉店通知
公式ページに掲載された閉店通知では「現在の経済情勢の影響を強く受け、過去2年間連続して赤字が続き、これ以上事業を継続することが困難になった」と説明されている。タイの中間層消費は近年、家賃・燃料・食費の上昇と所得停滞のダブルパンチで縮小しており、外食ビュッフェのような可処分所得依存型ビジネスが特に打撃を受けている。「ありがとう」というメッセージとともに14年間の感謝が綴られた。
在タイ日本人駐在員にも親しまれた焼肉ビュッフェの定番
イチロー焼肉は、ラドプラオ周辺に住む日本人駐在員家庭にとっても馴染みのある選択肢で、家族の外食、同僚との集まり、誕生日会などで利用されてきた。日本人街と直接隣接するエリアではないが、トンロー・エカマイ方面の日本人エリアからも車で20分前後でアクセス可能な距離にあり、「炭火+ビュッフェ+日本式」という組み合わせで一定の固定客を抱えていた。
タイ飲食業界の現状、コロナ後の構造的不振
タイの飲食業界は、コロナ禍からの回復が地域・業態によってまだら模様で、チャトゥチャック市場の店主が「コロナより重い」と訴える状況や、観光地の店舗閉鎖が相次ぐなど、構造的な不振が続いている。とくに中国人観光客の急減と、欧州・インド系観光客の客単価の低さが組み合わさり、外食需要全体が縮小気味だ。在タイ日本人にとっても、長く通ってきた店舗が次々と消えていく時期で、「あの店もか」という慣れた風景の喪失が続く。閉店までの3週間は、最後の利用客で賑わうことが予想される。