【続報】バンコクのチャラン・サニットウォン通りファイチャイ分岐の道路陥没事案で、現場プロジェクト責任者が原因を特定した。地下に残る古い運河跡(クロンカオ)の泥地が大雨と大型車両の重量で空洞化し崩落した形だ。バンコク市は一晩での復旧を目指して工事を進めており、現場ではサイフォン管の埋設工事も並行して進められている。
バンコク副知事が現場視察、一晩での復旧目標
バンコク副知事のウィッヌ・サップソンポン氏が5月9日午後4時に現場入りし、エンジニアと作業員を投入して一晩での修復作業を進めると表明した。チャラン・サニットウォン通りはトンブリー側の主要動脈で、プタモントン線、ターパー分岐、ワンラン-シリラート方面と複数の重要エリアを結んでいる。長時間の閉鎖が続けば渋滞が深刻化するため、警察と連携して一部区間を閉鎖し、トンネル経由の迂回ルートに誘導する措置が取られた。
原因は地下に残る古い運河跡、大雨と大型車両重量で空洞崩落
トンネル水路プロジェクトの責任者ダーオ・シティクンマーニット氏は、現場の地質的背景を解説した。陥没した地点は元々「古い運河(クロンカオ)」が走っていた場所で、橋とその下を流れる運河跡という地形だった。BTSの建設工事が完了した後も、運河跡の地下層は泥地のまま残り、運河沿いに空洞が発生しやすい状態が続いていた。そこに大雨が降って地中の水分が上昇し、上を大型トラックが通過することで地表が一気に崩落した、というのが原因の説明だ。
サイフォン管工事中、深さ12-15m・直径2.5m
現在現場では、トンネル下にサイフォン管(Siphon)を埋設する工事が並行して進められている。深さは12〜15メートル、直径2.5メートルという大規模な配管で、地下水の流れを制御し、今後の陥没を防ぐ意図がある。今回の陥没はその工事区域に隣接する場所で発生しており、サイフォン管の追加と地盤改良の組み合わせで再発防止を図る計画だ。
バンコクの道路陥没頻発、古運河の暗渠化が継続的課題
バンコクは元来「水の都」と呼ばれ、市内には現在の地表からは見えない埋め立てられた古運河が縦横に走っている。これらの暗渠化された運河跡は、大雨時に空洞化を起こしやすく、チャラン・サニットウォン通りに限らず首都圏各地で道路陥没の温床となっている。タイの構造工協会は土壌の流動性、排水管の老朽化、地下構造物の影響、地震の累積影響の4原因を挙げて継続監視を提言してきた。在タイ日本人駐在員にとっても、雨季の到来を控えてバンコクの主要道路の通行リスクは高まっており、急ぎの移動はBTSやMRTなど公共交通の併用を検討する価値がある。