タイ・カンチャナブリ県のカンチャナブリ職業学校前で5月9日、75歳の男性が運転するSUVがランドリー店に突入する事故が発生し、運転していた本人が電気制御盤に圧迫されて死亡した。バイクと接触した後にハンドルを失い、歩道に上がって電気制御盤に衝突、そのまま店舗内に突入する流れだった。店員は無事で、衝突を受けたバイク運転女性も軽傷で済んだ。
カンチャナブリで75歳ドライバー暴走、ランドリー店に突入
事故現場はカンチャナブリ県カンチャナブリ市セーンチュート通り、カンチャナブリ職業学校の向かい側にある自動ランドリー店だ。ピタッカーン財団のボランティア救助隊が通報を受けて現場に駆け付けた。SUVは店舗の中まで突っ込んでおり、運転席のドアは内側からロックされていたため、救助隊は開錠に時間を費やしてから車内に入る形となった。運転していたのは75歳のベン氏(姓は伏せる)で、頭部に大裂傷、頸椎骨折、心拍停止の状態だった。
ホテル前から発進、バイク接触→歩道→電気制御盤直撃
防犯カメラの映像によると、SUVは中心市街地のホテル前から急発進し、直進してきたバイクに横から接触させ、バイクは中央分離帯側に転倒した。SUVはそのままハンドル制御を失い、歩道に乗り上げて電気制御盤(タイの街角に設置される電力配電ボックス)に衝突。さらに前進して、自動ランドリー店の出入口に突入した。電気制御盤がドライバーの座席を直撃し、本人を運転席に押し付ける形になった。
車内ロックで救助困難、CPR10分も及ばず死亡
救助隊は到着後、車のドアが内側からロックされていたためすぐに車内に入れず、解錠手段を確保するのに時間を要した。ようやく救出されたベン氏は救急対応を受け、現場で約10分間にわたり心肺蘇生(CPR)が試みられたが、呼吸と心拍を回復させることはできなかった。最終的に本人は現場で死亡が確認された。店員と来客にけが人はおらず、接触を受けたバイクの女性は軽傷で済んだのが不幸中の救いだ。
タイの高齢ドライバー事故と免許制度、家族の証言
家族の証言によると、事故前にベン氏はカンチャナブリ市内中心部のホテルで働く妻に会いに行き、その後別の用事で外出するために運転を始めたという。発進時の急加速の理由は不明で、警察は健康上の問題か運転操作ミスの両面で調査を進める。タイには日本のような高齢ドライバー向け免許更新時の認知機能検査の仕組みがまだ整っておらず、高齢者の運転事故は地方都市で散発する。在タイ日本人にとっても、自分や家族の運転習慣、現地のリースカー使用、年配者との同乗時の安全確認を改めて見直す機会となる事案だ。