タイ北部ランパーン県で5月8日午後1時、路肩に停めていたセダンに、居眠り運転のピックアップ車が後ろから突っ込み、運転していた41歳の母親が死亡した。同乗の16歳の息子も左足の痛みと胸部圧迫、意識朦朧の状態で病院に運ばれた。タイで定常的に発生する「居眠り運転による追突」が再び家族を奪った形だ。
ランパーン県ガオ郡で停止中セダンに居眠り運転ピックアップが突入
事案はランパーン県ガオ郡バーンポーン町バーンポー集落の街道、ガオ-メーティープ線上で発生した。5月8日午後1時頃、ガオ警察署に通報が入り、ガオ郡救助隊が緊急出動した。現場で確認されたのは、路肩に停止中のセダンが激しい衝撃を受けてつぶれており、運転席に女性が挟まれて意識を失っている状態だった。後方から追突したピックアップの運転手は居眠り運転だったとみられる。
救助隊が運転席から救出してCPR、ガオ病院に搬送するも死亡
救助隊は油圧救出器具を使ってセダンの運転席から女性を引き出し、その場で心肺蘇生(CPR)を行いながらガオ病院の救急車に引き継いだ。しかしニパポーン氏(41)はその後病院で死亡が確認された。同乗していた16歳の息子は左足の痛み、胸部圧迫感、意識朦朧で同じくガオ病院に搬送された。命に別状はなかったが、当時の事故状況を覚えていない症状を訴えている。
タイの居眠り運転事故、長距離輸送と山道で多発
タイの北部・東北部の街道では、長距離輸送のドライバーや出稼ぎ通勤者の居眠り運転事故が定期的に発生する。今回も2車線の街道で停止していた車両に対し、後続のピックアップが何の減速もせずに突っ込んだ典型例で、ブレーキ痕がほとんど残らないケースが多い。タイ運輸省と警察庁は商用車運転手の労働時間規制と運転前のアルコール・薬物検査を強化しているが、個人運転のピックアップを巡る運転習慣の見直しは依然課題のままだ。
在タイ日本人にも警告、北部山道では路肩停車にもリスク
ランパーンを含むタイ北部はチェンマイへの観光ルートとしても利用される地域で、在タイ日本人駐在員家族や旅行者がレンタカーで通る場面も少なくない。今回の事案は「自分は普通に停まっていただけ」でも被害者になりうることを示している。北部山道で停車する場合は、できる限り完全に道路から外れた退避帯を選ぶ、ハザードランプとサイドミラー越しの後方確認を怠らない、夜間や雨天時は移動を避けるといった姿勢が安全策になる。