タイ・ノンタブリのコンドミニアムで5月9日、63歳の男性が120リットルの水タンクを掃除中に足を滑らせて頭からタンクに落下、ほぼ満杯の水で溺死寸前になる事案が発生した。娘が異変に気付いてタンクを倒し水を出すという機転で命を救った。救助隊が後から駆けつけて金属切断器でタンクを切り抜き、男性を取り出して病院に搬送した。
ノンタブリの63歳がタンク掃除中に頭から落下、息できず
事案はノンタブリ県ムアン郡のサミック地区にあるコンドミニアムで5月9日午後2時30分頃に発生した。ティアンチャイ氏(63、姓は伏せる)が浴室で120リットルの水タンクを掃除しようとしてかがんだ際、浴室の床で足が滑り、上半身ごと水で満たされたタンクに頭から落下した。全身がタンクに入り込んだ状態で身動きが取れず、水を吸い込んでしまったため呼吸ができない状態に陥った。
娘が異変に気付きタンクを倒して水抜き、命を救う
ティアンチャイ氏が浴室に入ったあと「父の小さな声で名前を呼ばれた」のを聞いた娘が、最初は冗談かと思ったものの様子を見に行ったところ、父親の体がタンクに沈み込んでいるのを発見した。娘は父親をタンクから引き出そうと試みたがうまくいかず、機転を利かせてタンクそのものを倒した。すると中の水が一気に流れ出て、父親が呼吸できる状態になり、絶望的な状況から命をつないだ。
救助隊が金属切断器でタンク切除、プラナンクラオ病院搬送
娘の通報を受けたポーテックトゥン財団のボランティア救助隊が現場に到着、金属切断器(クリームと電動ノコ)を使ってタンクを切断し、ティアンチャイ氏の体をタンクから完全に取り出した。本人は水を吸い込んで体力を消耗していたため、現場で応急処置を受けた後、プラナンクラオ病院に搬送された。本人は「呼吸ができなくなった瞬間、もし助かったら蘇生処置が必要だと考えた。娘がタンクを倒してくれなかったら助からなかった」と語った。
在タイ日本人にも教訓、家庭の水回り掃除と高齢者リスク
タイのコンドミニアム住戸では、貯水用の大型タンクを浴室や台所に置く家庭が多い。在タイ日本人駐在員家庭でも、メイドに任せきりにしているうちに自分で掃除する場面はある。今回のように、満杯のタンクの上から覗き込むような姿勢で掃除する場合、足元の滑りや体勢のバランス崩れが直接命に関わる事態を生む。タンクの水を半分以下に減らしてから掃除する、足元のマット・滑り止めを設置する、家族や同居人がいる場合は声をかけ合うといった基本対策が、こうした事故の予防に役立つ。