タイ警察が、チョンブリ県で中国人男ミンチェン・サン氏が保有していた軍用銃M4の入手経路を解明し、警察の拳銃訓練教官と海軍兵の2人が中国人に1丁20万バーツ(約98万円)で販売していたとして取り調べている。武器密売ネットワークの存在が明らかになる可能性があり、捜査は資金・通信・関係者の全方位調査に拡大している。
中国人武器庫のM4販売者は警察拳銃教官と海軍兵
5月9日、ナーチョムティアン警察署が拳銃訓練教官のカチェントー氏と、タイ海軍所属の上等兵メーティー・ナーロム氏の2人を取り調べていることが明らかになった。前日に発覚したチョンブリ県バンラムン郡フアイヤイ地区の中国人武器庫事件で、押収された軍用銃M4とC4爆薬を中国人ミンチェン・サン氏(31)に販売した経路の捜査を進めた結果、両名が浮上した。
M4を1丁20万バーツで販売、両名が連携した供給ルート
捜査初期段階で判明したのは、拳銃教官カチェントー氏が海軍兵メーティー氏と連絡を取り合い、M4を入手した上で中国人ミンチェン氏に販売していたという構図だ。販売価格は1丁あたり約20万バーツ(約98万円)とされる。タイ国内の軍施設から流出した軍用銃が、組織内部の関係者を通じて外国人の手に渡るという深刻な構図が露呈した形だ。
資金経路・通信・関係者の網羅的捜査、密売ネットワーク特定へ
警察は今後、両名と他の関係者の間の資金フロー、通信記録、関連人物の網羅的解明を進める。M4とC4爆薬の単発取引なのか、組織的な密売ネットワークが存在するのかが今回の捜査の焦点となる。チョンブリ県エリアでの取引だったため、地域に既存の武器密売チャネルが運用されていた可能性も視野に入る。
タイ軍・警察関係者の腐敗、銃器管理体制の課題
事案は、タイの軍・警察組織内部での銃器管理体制と内部腐敗の問題を改めて浮き彫りにした。本来は外国人がいかなる理由でも保有できないはずの軍用銃が、組織内部関係者の販売行為によって流出した構図は、許可制度の見直しや内部監査の強化を求める論点に直結する。アヌティン首相は前日「拳銃携帯許可は今後も警察以外には出さない」と方針を明言しており、内部からの流出を断ち切る組織改革が並行して問われる局面となる。