タイ政府が、観光客向けフリービザ滞在期間を現行の60日から30日に短縮する提案を加速させている。チョンブリ県で中国人男が軍用銃と手榴弾10個を隠匿していた事件を受けて、アヌティン首相がフリービザの見直しを言及。シーハサク外相は4月21日に既に短縮案を発表しており、対象は93カ国に及ぶ。在タイ日本人の家族滞在や出張、帰省に大きな影響が出る可能性がある。
タイ政府が中国人武器庫事件を受けてフリービザ短縮を加速
アヌティン首相は5月9日、警察庁長官に中国人による武器搬入事件の根源を徹底的に捜査するよう指示し、フリービザ政策の見直しを進める方針を示した。先のチョンブリ県サタヒープ郡の事件では、中国人ミンチェン・サン氏(31)の自宅から軍用銃と手榴弾10個など武器庫水準の保有が見つかっており、外国人の長期滞在を許す制度設計の見直しが急務となっている。
シーハサク外相が4月21日に短縮案、対象は93カ国
タイ外務省のシーハサク・プアンケットケオ大臣は、4月21日のバンコクでの記者会見で「フリービザ滞在期間を60日から30日に短縮する提案を政府に提出する準備を進めている」と表明した。対象は現在60日のフリービザが認められている93カ国で、日本も含まれる。提案の根拠は「30日は大半の観光客にとって十分な滞在期間で、60日設定はオンライン詐欺業者、違法労働者、長期滞在者がフリービザを悪用する穴になっていた」というものだ。
承認はアヌティン内閣の決定待ち、5月中旬が目安
提案は外務省からアヌティン内閣に上申される段階で、現時点ではまだ公布されていない。業界トラッカーや旅行業界誌は「5月中旬」を実施目標とみていたが、タイ政府からの正式発表はない。今回の中国人武器庫事件はそのタイミングで起きており、内閣承認を後押しする材料になる可能性が高い。承認されれば、フリービザでの入国時の最大滞在は30日になり、それを超えて滞在する場合は事前にビザを取得するか、入国後に30日延長申請(1回限り、1,900バーツ)が必要になる。
在タイ日本人の家族滞在・出張・帰省に影響、1回30日延長は可
在タイ日本人駐在員にとっては直接の業務影響は限定的だ(ノンBビザ、教育ビザ、退職ビザなどフリービザではない長期ビザを使うため)。しかし日本から訪問してくる家族や友人、出張者がフリービザで入国していた場合、滞在可能期間が半分になる。たとえば子供の長期休暇に合わせて家族が60日滞在する慣習があった家庭では、30日に短縮されると入国前にビザ取得が必要になる。延長申請はタイ入国管理局で1,900バーツ、1回30日まで可能だが、列に並ぶ手間と時間が発生する。今後数週間の閣議発表に注視したい。