タイ行政部局が、中国人2人がタイ国民IDカード(13桁番号付き)を所持しているとの情報がSNSで拡散したことを受け、DOPA N.I.C.E.(住民登録対策チーム)に緊急の照合調査を命じた。対象には先のチョンブリ武器庫事件で逮捕された中国人ミンチェン・サン氏も含まれている。発行ルートに不正があった場合、関与した職員に厳しい処分が下される方針だ。
中国人2人がタイ国民ID保持、SNS拡散で発覚
タイのSNS上で「中国人が13桁のタイ国民ID番号入りカードを持っている」という写真が拡散し、市民から「外国人がそんなカードを取得できるのか」「どうやって発行されたのか」と疑問の声が上がった。これを受け、行政部局のナルチャー・コーサーシウィライ局長は5月9日、ウィトゥーン・シリヌクン副局長率いる「DOPA N.I.C.E.(住民登録対策の安全保障対応チーム)」に対し、対象人物2人の住民登録情報の正確性を緊急に確認するよう指示した。
武器庫事件のミンチェン氏含む2名、ピンク色IDカード所持
対象1人目はミンチェン・サン氏で、先日チョンブリ県サタヒープ郡で車両転倒事故を起こし、自宅から軍用銃と手榴弾10個など大量の武器・爆薬が押収された人物だ。ピンク色のIDカードを所持していたとされ、タイの「在留外国人IDカード」に相当する種類のものとみられる。タイのID番号体系で「13桁」を持っているという点が、通常の在留資格とは異なる位置付けの可能性を示唆している。詳細はDOPA N.I.C.E.の調査結果を待つ段階だ。
DOPA N.I.C.E.が緊急照合、発行プロセスの不正を追跡
DOPA N.I.C.E.は、住民登録の不正を専門に調査するチームで、今回の事案では「2人の中国人がどのような手続きで13桁番号を取得したか」「発行に関わった職員に不正があったか」を遡って調べる。ナルチャー局長は「不正に関わった者には容赦なく処分する」と明言しており、行政内部の責任追及が同時並行で進む見通しだ。
在タイ日本人にも示唆、外国人とタイIDシステムの線引き
タイのIDカード制度は、タイ国民が13桁の番号付きピンク以外のカードを持ち、在留外国人はピンク色(10桁ベース)の在留外国人カードを持つのが原則だ。今回のように外国人が13桁番号付きで国民相当のカードを取得していた場合、外国人事業法やノミニー会社規制、不動産取得制限などをすり抜ける土台になりうる。在タイ日本人駐在員にとっても、自分が所持する在留外国人カード(10桁)の正規性を再確認する機会となる事案で、エージェント任せの登録更新には注意が必要だ。