タイのアヌティン首相兼内務大臣が5月9日、チョンブリ県の中国人武器庫事件について「最深部まで捜査を拡大し根源を解明する」と警察庁長官に指示した。中国人ミンチェン・サン氏(31)が運転していた車両が転倒した際に車内から銃が発見された後、自宅から軍用銃と手榴弾10個など武器庫水準の保有が確認された案件で、首相はBHQと呼ばれる越境犯罪組織との関連も視野に入れている。
アヌティン首相、中国人武器庫の最深部捜査を指示
アヌティン首相は5月9日午後2時20分、軍空港2の空軍基地6で記者団に対応した。チョンブリ県ナーチョムティアン警察署管内で発生した武器庫事件について警察庁長官から報告を受けたとし、「徹底的かつ集中的に対応し、この行為の根源を最深部まで解明するよう強調した」と述べた。事件当事者の供述や関係者の特定にとどまらず、武器供給ルート、資金源、関連する組織犯罪まで遡って調査する方針だ。
BHQ越境犯罪組織との関連を視野、外国人保有の経路解明
首相は「外国人がなぜタイ国内で武器を保有できる状況になったのか、その経路を解明する必要がある」と指摘した。武器供給に関連する既存の組織犯罪ネットワークとして、メディア報道で「BHQ」と呼ばれる越境犯罪グループの存在が指摘されており、警察庁はこれとの関連性を視野に入れた捜査を進めている。チョンブリ県だけでなく、武器の入手元、輸送ルート、最終的な使途の3軸での調査が求められる局面だ。
拳銃携帯許可は警察以外は不法、根本対応の方針
アヌティン首相は同時に、タイ国内の拳銃携帯許可制度についても言及した。「現在、警察職員以外の一般人や外国人が拳銃を携帯することは違法。今後新たに携帯許可を出す方針はない」と明言し、許可制の緩和を求める一部の声に対して否定的な姿勢を示した。今回のように許可なしで軍用銃を保有する外国人が出てきている時点で、許可枠の拡大は逆効果との判断だ。捕まれば多項目の罪状が積み重なるとも警告した。
タイのフリービザ短縮検討と並行、外国人取り締まりの大波
中国人武器庫事件は、シーハサク外相が4月に提案したフリービザ60日→30日短縮の閣議承認を後押しする要因にもなっている。先のチェンマイ中国人映画クルー摘発、サムイ・パンガン外国人ノミニー会社摘発、プーケットでのイスラエル人取り締まり強化と合わせて、タイ全体で外国人を巡る規制の引き締め局面が続く。在タイ日本人駐在員にとっても、ビザ・労働許可・銃刀法など各方面で正規手続きの徹底が求められる時期に入っている。