タイで広がる魚缶詰偽装問題に関連して、別ブランドのサーディン缶のレビュー動画が5月9日にSNSで拡散した。父親が缶を開けたところ、中身はトマトソースがほぼ満杯で、魚肉はごく少量しか入っていなかった。ネット民の意見は「価格相応」と「詐欺ではないか」に二分し、投稿者は説明を出して当局に検査を依頼した。
別ブランドのサーディン缶レビュー、中身はほぼトマトソース
5月9日、Facebookユーザー「Nut Nawakiat」氏が、自分が購入したサーディン缶の中身を確認する動画を投稿した。動画では同氏が父親に缶を渡し、未開封のものをその場で開けてもらう。蓋を開けてみると、中身は赤いトマトソースがほぼ満杯で、皿に出してみるとサーディンの肉はわずかしか確認できなかった。父親も「魚って入ってるのかどうかも分からない」とコメントしていた。投稿はサムットサコン県・サムットソンクラム県の魚缶詰偽装問題で世間が敏感になっているタイミングで、瞬く間に拡散した。
ネット民は二分「価格相応」VS「詐欺ではないか」
コメント欄では意見が分かれた。「この価格でこの分量なら別におかしくない、それが普通」とする現実派と、「これは詐欺と言ってもいい量、サーディン缶でこれは少なすぎる」と憤る派が並んだ。一部からは「動画の作りが演出っぽい」「コンテンツのために誇張しているのでは」と疑う声も上がり、投稿者は急いで弁明の追加投稿を出すことになった。
投稿者「詐欺ではない、もち米無料」と弁明、当局検査を依頼
投稿者「Nut Nawakiat」氏は補足説明で、「魚缶詰の動画について説明します。詐欺や演出はしていません」と明言し、缶詰そのものを開けて当局に検査を依頼すると述べた。先のサムットサコン・サムットソンクラム両県の魚缶詰偽装問題では、ラベルに「サバ」「イワシ」と書かれていたのに中身は淡水魚のナイル魚や黒口魚だった事案が摘発されており、今回の「中身が少ない」事案も食品法違反(広告表示違反など)の対象になりうる。
タイ魚缶詰問題が業界全体に波及、消費者の警戒感
最初のサムットサコンでの摘発から始まった魚缶詰偽装問題は、今やブランド単位ではなく業界全体への懸念に拡大しつつある。スパマス首相府担当大臣が全国の魚缶詰工場の一斉検査を指示しており、サムットソンクラム県でも235缶が差し押さえられる事案が発生した。在タイ日本人駐在員家庭でも、ローカルブランドの魚缶詰購入時に「中身を確認してから買い置きを進める」という慎重姿勢が現実的な選択になる。日系スーパー扱いの輸入品や、大手チェーン自社ブランドへの切り替えも有効な対応策だ。