タイ北部チェンライ県の警察が5月9日午前、ピンク色のタクシー(トヨタ・アルティス)を停車させ、メタンフェタミン錠(ヤーバー)220万錠を押収した。49歳の運転手は助手席と足元にヤーバーを置いた上で布をかけ、「子供の寝床」のように偽装していた。国境地帯から中部に運ぶ途中で、検問所を迂回する裏道を使っていたとされる。
チェンライ県パーデート警察、ピンクタクシーから220万錠を押収
事案はチェンライ県パーデート郡とチュン郡を結ぶ脇道で発生した。パーデート警察署の捜査員が、不審な動きを見せていたピンク色のタクシー(登録番号ทฬ-3794、トヨタ・アルティス)を停止させ、車内を検査したところ、後部に9袋分のヤーバーが積まれていた。さらに助手席と足元にも錠剤の塊が置かれており、布をかけて子供が寝ているように偽装されていた。合計220万錠で、地方ルートとしては大規模な摘発となった。
49歳パトゥムターニー出身ドライバーを逮捕、子の寝床偽装で警官の目を欺く狙い
逮捕されたのはアピチャート・ファクヤエム容疑者(49)で、パトゥムターニー県出身。タクシーの運転手として中部から北部に向かった上で、現地でヤーバーの引き取り役を務めていた可能性が高い。子供の寝床に偽装する手口は、検問員が「親子連れ」と判断して入念な車内検査をスキップしてしまう心理を逆手に取った戦術で、麻薬密輸では珍しくないが、220万錠規模の押収はインパクトが大きい。
国境ミャンマー側から中部へ運搬、検問所迂回ルート
捜査によると、容疑者は国境のミャンマー側からヤーバーを受け取り、ゴールデントライアングル経由で中部地方へ運ぶ途中だった。タイ-ミャンマー国境の北部地域はメタンフェタミンの主要な侵入口で、ワ州を経由した密輸ルートが何十年も活発に使われている。検問所を避けるための脇道や深夜運行が常態化しており、警察側は地元住民の通報やナンバープレート読み取りシステムを駆使して摘発体制を維持している。
タイ国内メス輸送ルート、ゴールデントライアングルから首都圏
メタンフェタミンは「ヤーバー(錠剤)」と「ヤー・アイス(氷状結晶)」の2形態で流通し、ヤーバーは特に低所得層を中心に広く消費されている。今回の220万錠が首都圏に流れていれば、相当数の使用者の手に渡る可能性があった。在タイ日本人駐在員にとっては、地方からの長距離タクシーやチャーター車を利用する際、見知らぬ運転手の指示で荷物を一時保管したり同乗者として写真を撮らせたりすることへの警戒が必要だ。摘発時には乗客も巻き込まれる可能性がある。