タイ国内で「食用金粉(ทองคำเปลว)」として中国から輸入されベーカリー用品店やオンラインアプリで販売されている商品が、実際には食用ではなく装飾工芸用の銅製「金粉風」シートだった可能性が指摘されている。Facebookの著名ページ「Drama-addict」が2026年5月25日、消費者からの提供情報をもとに警告を発した。同ページはアプリ翻訳でラベルを確認したところ「装飾用・銅製・食用不可」と明記されていたが、タイ国内ではベーカリー材料店の「食用金粉」コーナーで陳列され、オンラインアプリでも数万個が販売済みであることが判明したという。価格は本物の金粉(数千バーツ規模)とかけ離れた1本20バーツ程度の異常な安さで、複数のテストで「本物の金粉ではない」と確認された。タイ人がベーカリー製品や料理を通じて知らずに摂取した数は数万件規模に達する可能性があり、重金属中毒のリスクが懸念されている。
ベーカリー用品店で「食用金粉」コーナーに陳列、アプリでも数万個販売
Drama-addictページに寄せられた消費者報告によると、タイ国内のベーカリー用品店(製菓材料を扱う小売店)で中国から輸入された「金粉」が販売されている。ところが、翻訳アプリで現品のラベルを読むと、表記は「装飾用、銅製」「食用ではない」と明記されていた。それにもかかわらず、店舗では「食用金粉」コーナーに陳列され、タイのEC・ライブ配信アプリでも同種商品が積み重なって販売され、数万個が既に売れている状態だったとされる。
価格は本物の金粉の100分の1以下、テストで偽物確定
問題視された商品の価格は1本20バーツ前後で、本物の食用金粉(数千バーツが相場)と比べると100分の1以下の異常な安さ。Drama-addictページの調査担当(通称「ジャー(จ่า)」=実情報員的なキャラクター)は商品を実際に購入し、複数の物理テストを行った。
テスト1: 指で擦ると塊になる(本物は瞬時に砕ける)
本物の食用金粉は純金を原子レベルまで薄く打ち延ばしたシートで、指先で軽く擦るだけでも瞬時に微粒子状に壊れる特性がある。一方、問題商品を指で擦ったところ、塊になって丸まったり、繊維状にほつれたりした。これは純金の挙動とは明らかに異なる。
テスト2: 火で燃やすと色が変わる(本物は不変)
純金は酸素と反応しない元素で、本物の金粉を火で炙ると溶けて縮むだけで色は決して変化しない。一方、問題商品を火で燃やしたところ、色が即座に変化した。これは銅や鉄などの金属が空気中の酸素と反応している証拠で、純金ではなく卑金属の合金であることが判明した。
結論: 装飾品工芸用、銅か鉄合金、食べると重金属中毒リスク
2つのテスト結果から、問題商品は「装飾品・工芸用の銅製金粉風シート」で、食用ベーカリー用ではないと結論づけられた。表面が金色に見えるのは銅+真鍮系の処理で、口に入れて長期的に摂取すると、銅や鉛などの重金属が体内に蓄積し、重金属中毒(銅中毒、肝臓・腎臓障害など)のリスクが発生する。タイの食品衛生規制では装飾品用の金属類は食品材料として認可されていない。
数万個販売済み、タイ人摂取者の規模が懸念
Drama-addictページの調査では、アプリ販売だけで「数万個レベル」の販売実績が確認された。ベーカリー材料店での販売数を加えれば、被害規模はさらに大きい可能性がある。各個製品が1人の消費者の手に渡るのではなく、ベーカリー職人やケーキ店が業務用として購入し、それを使ったケーキ・洋菓子を多数の客に提供するという経路を考えると、知らずに摂取したタイ人の総数は数万人〜数十万人規模に達する可能性も否定できない。
食品衛生局(FDA)への正式調査依頼が必要、消費者は購入時の慎重な確認を
Drama-addictページは「タイ食品衛生局(อย./FDA)に正式な調査を依頼するべき」と呼びかけている。消費者向けには、ベーカリー用品店やオンラインアプリで「食用金粉」を購入する際、ラベルの原語表記を翻訳アプリで確認すること、価格があまりに安い場合は警戒すること、家庭での簡易テスト(指擦り・燃焼)を行うことが推奨されている。本物の食用金粉は1本数千バーツの価格帯で販売されるのが通常で、20バーツ前後の商品は基本的に偽物と疑うべきとされる。

