タイ西部ペッチャブリー県の主要幹線道路ペッチャカセム通り(ถ.เพชรเกษม / Phetkasem Road)バンコク方向(東進)の橋の分岐部で2026年5月25日、複数の車両が衝突する事故が発生した。現場には怪我人はなかったが、事故車両の中に放置された白いトヨタ・ピックアップ(箱型・ナンバー3 ฒภ 7667 バンコク)の運転手と所有者が逃走しているのが発覚。ペッチャブリー・ムアン警察署が車内を捜索した結果、電子タバコ16,200本+補充用リキッド600本、市場価値推定1,000万バーツ(約4,600万円)が発見された。電子タバコ密輸の大型事案として、タンワコム・ソンウィホック警察大佐(พ.ต.ท.ธันวาคม สองวิหก)が捜査を進めている。タイ政府は2014年以降、電子タバコの輸入・販売・所持を厳格に禁止しており、本案件は密輸の刑事訴追に進む見通し。
5/25、ペッチャカセム通りで複数車衝突
事故発生は2026年5月25日。ペッチャブリー・ムアン警察署の無線センターが「ペッチャカセム通りのバンコク方向(入り方向)、橋の分岐部(หัวสะพาน)で複数車両が衝突する事故が発生」との通報を受理した。現場のペッチャカセム通りは、バンコクから南へ向かう主要幹線道路で、ペッチャブリー県・プラチュアプキリカン県・チュンポーン県・南部マレーシア国境まで延びる動脈ルート。バンコク方向はこの逆ルートで、首都圏に向かう物流ルートとなる。
到着した警察官は、複数の車両が衝突した状況を確認したが、怪我人はおらず、事故対応として現場処理を行った。
白いトヨタ・ピックアップ放置、運転手が逃走
事故現場の処理を進める中で警察が異変に気付いたのが、白いトヨタ・ピックアップ(ピックアップ・トゥー・トゥップ / พิคอัพ ตู้ทึบ / 箱型ピックアップ、ナンバー3 ฒภ 7667 バンコク登録)。同車両は事故の当事車両の一つだったが、運転手と所有者の姿が現場にいない状態で放置されていた。タイの交通事故では、現場で警察対応を待つのが一般的だが、運転手が逃走するケースは「何かを隠している」可能性を示すパターンとして、警察が即座に車内捜索に進む契機となる。
車内から電子タバコ16,200本+リキッド600本
ペッチャブリー・ムアン警察署の取調官タンワコム・ソンウィホック警察大佐(พ.ต.ท.ธันวาคม สองวิหก)が、副捜査官ピチェット・チャイマーラ警察大佐(พ.ต.ท.พิเชษฐ์ ชัยมาลา)と協力して、放置車両の車内検査を実施した。発見された禁制品は以下の通り。
- 電子タバコ(บุหรี่ไฟฟ้า / E-cigarettes / Vapes): 16,200本
- 電子タバコ用補充リキッド(น้ำยาเติม / E-liquid): 600本
- 推定市場価値: 1,000万バーツ(約4,600万円)
電子タバコの本数16,200本という規模は、個人使用ではあり得ない量で、明確に商業目的の密輸・流通を意図したものと判断される。
タイの電子タバコ禁止、2014年から継続
タイ政府は2014年に電子タバコの輸入・販売・所持を全面禁止した。商務省告示2014年第9号により、電子タバコ(vape、e-cigarette、IQOSなどの加熱式タバコも含む)は「禁制品(Prohibited Goods)」として扱われ、税関での輸入差し止め、警察による販売・所持の取締りの対象となっている。観光客であっても、タイ入国時の所持で逮捕されるケースが報告されており、日本人観光客・在留邦人も注意が必要なルールとなっている。
電子タバコ密輸ルート、東南アジアから北上
タイで流通する電子タバコは、主にマレーシア・インドネシア・カンボジア・ベトナムから陸路・海上ルートで密輸入されるパターンが多い。今回のペッチャブリー事案も、南部の国境地帯から北上してバンコクへ向かう途中だった可能性が高い。マレーシア国境のソンクラー県、カンボジア国境のサケーオ県、東部国境のチャンタブリー県などが、密輸の主要入口とされる。
罰則は重い、商業目的の押収量は加重事由
タイの法律では、電子タバコの所持・販売・密輸入は重い刑事罰の対象。商業目的(販売目的)の所持は加重事由として扱われ、5年以下の懲役または50万バーツ以下の罰金、もしくはその両方が科される。今回のように16,200本+1,000万バーツ規模の押収量は、明確に「商業密輸」として最重量の量刑が想定される事案。逃走した運転手の身元特定と身柄拘束が急がれる。
スワンナプーム空港の入国審査で持込発覚→没収+刑事訴追リスク
タイの電子タバコ禁止は、日本人観光客・駐在員にとっても重要な情報。日本では電子タバコ・加熱式タバコ(IQOS、Glo、Ploom等)が広く普及しているが、タイでは所持自体が違法。スワンナプーム空港・ドンムアン空港の入国審査で発見されると、その場で没収+罰金・刑事訴追のリスクがある。タイへの渡航前には、電子タバコ・加熱式タバコ・関連リキッドを完全に手荷物・スーツケースから取り除くことが推奨されている。
ペッチャブリー警察、運転手の追跡継続
ペッチャブリー・ムアン警察署は、放置されたトヨタ・ピックアップのナンバー(3 ฒภ 7667 バンコク)から、所有者の身元特定を進めている。同時に、現場周辺の防犯カメラ映像、事故時に他の当事車両の運転手の証言、ガソリンスタンドや高速道路料金所の通行記録などから、逃走した運転手の追跡を続けている。





