タイ北部チェンマイのピン川で2026年5月23日、チェンマイの名門校に通う16歳の男子高校生がラタナコーシン橋付近で水に転落、姿を消した。2日後の5月25日午後3時9分、家族と救助隊が平底船で川を下って捜索していたところ、下流のチャンソム橋(別名カオ橋)付近で水面に浮かぶ遺体を発見した。チェンマイ・ムアン警察署と救助団体「ルアムジャイ・チェンマイ財団」が遺体を引き上げ、母親が自身の息子であることを確認した。警察の初期検視では暴行の痕跡はなく、遺体は詳細検視のため病院へ搬送された。母親は息子の遺体に駆け寄って慟哭、警察は転落地点付近の防犯カメラ映像を確認して状況を整理している。
ピン川転落、2日後に下流で発見
事件はチェンマイ県ムアン郡チャンモイ町(タンボン・チャンモイ)のピン川で起きた。5月23日、ラタナコーシン橋(สะพานรัตนโกสินทร์)付近で16歳の男子高校生が水に転落するのを目撃した人がいた。直後から警察・救助隊・家族が川沿いの捜索を開始したが、その日のうちには遺体が発見されず、5月24日も捜索を継続したものの手がかりがなかった。5月25日午後、家族と救助隊が平底船(เรือท้องแบน)を出して川沿いをさらに下流に向けて捜索したところ、午後3時9分にチャンソム橋(สะพานจันทน์สม / 通称ขัวแขก・カオ橋)付近で水面に浮かぶ遺体を発見した。
遺体は黒いTシャツに黒短パン、母親が確認
ピン川中央付近の橋下に浮かんでいた遺体は、黒いTシャツに黒い半ズボン姿の青少年。引き上げ後、警察と母親が確認したところ、行方不明だった16歳の高校生本人と判明した。母親は息子の遺体を前に崩れ落ち、慟哭する様子が現場で目撃された。タイ国内メディアは、亡くなった少年がチェンマイの「名門校(โรงเรียนดัง)」に通う生徒であることを伝えているが、学校名は遺族のプライバシー保護のため非公開とされている。
暴行痕なし、詳細検視へ搬送
ムアン警察署の初期確認では、遺体に暴行や外傷の痕跡は見当たらなかった。警察は詳細な死因究明のため、遺体を解剖検視に回した。同時に、5月23日の転落現場であるラタナコーシン橋付近の防犯カメラ映像を緊急で確認しており、転落の経緯(事故・自損・第三者の関与の有無)を整理している。少年がなぜラタナコーシン橋からピン川に転落したのか、その時の同伴者の有無も含めて、捜査当局が状況を解明する段階に入った。
チャンソム橋(カオ橋)の位置、下流2橋分
ラタナコーシン橋とチャンソム橋(カオ橋)は、いずれもチェンマイ旧市街の東側を流れるピン川にかかる主要な橋。ラタナコーシン橋はピン川右岸の旧市街と左岸を結ぶ古い橋で、チャンソム橋はその下流に位置する。ピン川は雨季前の今の時期は流れが比較的緩やかで、水深もそれほど深くないが、橋下や流木の周辺で身動きが取れなくなるケースがあり、毎年地元住民の転落事故が報告されている。下流2橋分の距離を2日間で漂流していた計算になる。
ルアムジャイ・チェンマイ財団が遺体引き上げ
遺体の引き上げを担当したのは、チェンマイの民間救助団体「ルアムジャイ・チェンマイ財団(มูลนิธิรวมใจเชียงใหม่)」。タイでは民間の救助財団(タムブン・ボラントゥング型の非営利組織)が事故対応の最前線で動くケースが多く、チェンマイでは同財団とポーテックテン財団チェンマイ支部が主要な活動団体として知られる。今回も警察通報の直後に出動し、川面の遺体を平底船から確認して引き上げた。
川辺の安全、雨季前の水量変動に注意
チェンマイのピン川は、5月下旬から雨季入りに向けて水量が増加する時期で、上流のチェンダオ・メリム方面からの流入水量が増えて流れが速くなる場面がある。岸辺で水遊びをする青少年や、橋から飛び込むなど娯楽目的での川利用も一部で見られ、地元自治体は毎年「雨季前のピン川は危険」と注意喚起を出している。今回の事案の詳細な経緯は防犯カメラと検視結果待ちだが、ピン川流域の安全対策の見直しを求める声が地元住民から上がる可能性もある。





