タイ・チェンライ県メーチャン郡パーサン町モ9バーンメーキー村の田んぼで5月24日午後3時頃、ヤーバ(覚醒剤錠剤)約113万錠を運搬していたピックアップ車(いすゞ)を国境警察(ตชด.) 第32管区・327中隊が追跡中、運転手のアコー氏(25歳、国籍不明・未登録、メーサイ郡ポーンパー町在住)が車両を道路脇に外して飛び出し、拳銃(.38口径)で警察に向けて発砲しながら逃走を図ったところ、警察の反撃を受けて田んぼで仰向けに倒れて死亡した。捜査の指揮はチャワリット・カムトー警察中佐(第32国境警察管区副管理官、327中隊隊長)、タナワット・ティパワリー警察少佐(327中隊長)が執り、メーチャン警察署(สภ.แม่จัน)が捜査責任を負う。
5月24日午後3時、ピックアップ車を国境警察327中隊が追跡
事件が起きたのはチェンライ県メーチャン郡パーサン町モ9バーンメーキー村の田んぼ。チェンライ県はミャンマー国境に接する北部の県で、ヤーバなどの薬物がミャンマー側からタイ国内に流入する主要ルートの一つ。国境警察第32管区の327中隊が、薬物運搬車両の情報を受けて追跡を開始したのは午後3時頃だった。
ピックアップから飛び出して拳銃で発砲、警察の反撃で死亡
容疑者アコー氏は追跡を受けながらピックアップ車を運転していたが、田んぼに近い道路で車両を道路脇に乗り上げて停止させた。その瞬間にドアを開けて飛び出し、.38口径の短銃を取り出して国境警察隊員に向けて発砲、逃げ道を作ろうとした。隊員側はこれに反撃し、アコー氏は田んぼに倒れて死亡した。タイ語のニュースでは「ヴィサーマンカータカム(วิสามัญฆาตกรรม)」と表現され、警察職務執行中の合法的な致死扱いとなる。
押収はヤーバ113万錠(6袋)、.38拳銃、いすゞピックアップ
警察が現場を検証したところ、押収品は次のとおり。
- ヤーバ(覚醒剤錠剤):約113万錠(袋詰め6袋分)
- .38口径短銃:1丁(現場の死亡した容疑者の傍に落下していた)
- 車両:いすゞのピックアップ
末端価格にして数千万バーツ規模の流通量とみられ、メーチャン-メーサイのミャンマー国境ルートで頻繁に押収される典型的な輸送形態。
容疑者は「未登録者(無国籍状態)」のメーサイ住民
アコー氏(25歳)は、タイの公的な戸籍登録に乗っていない、いわゆる「無国籍状態」の住民。タイ北部・チェンライ県メーサイ郡ポーンパー町に住んでいたとされる。タイ北部の山岳地域には、各種少数民族・ミャンマー側からの越境者で、タイの戸籍に正式に登録されていない人々が一定数いる。今回の容疑者もそうした層の出身で、薬物輸送の現場要員として動員されていた可能性が高いと警察はみている。
5月のヤーバ大規模摘発がチェンライまで拡大、北部国境ルート遮断強化
タイ国内では5月以降、ヤーバの大規模摘発が連日報じられている。5月23日のラオス国境沿いルーイ県ムアン郡でヤーバ2,000万錠+アイス2トン、5月24日早朝にチェンマイ・チェンダーオ郡でヤーバ200万錠、同日深夜にプラチュアプキリカン県でヤーバ106万錠、同日正午過ぎにスコータイ県でヤーバ200万錠(電柱衝突で運転手死亡)、そして今回のチェンライ・メーチャンでヤーバ113万錠。北部・東北部の国境地帯と、その南方への輸送ルート上で、警察と軍の合同検問が連日成果を挙げる流れになっている。今回はチェンライ・ミャンマー国境ルートでの摘発で、銃撃戦と容疑者死亡を伴う激しい結末になった。




