タイ天然資源・環境省の地質資源局(環境地質課・地質災害作戦センター)は5月19日、タイ国内9県を対象に、大雨にともなう土砂崩れ(ดินถล่ม)と山からの突発洪水(น้ำป่าไหลหลาก)への警戒を呼びかけた。雨季入りを告げる、毎年おなじみのトーンの警報ではあるが、対象県の広がり方がやや目を引く。
警報の対象は、北部・中部の山岳寄りの県と、東部・東北部の山がちな県をまんべんなく拾った9県だ。具体的には、タク、ピサヌローク、ナコンサワン、ペッチャブーン、ロッブリー、トラート、ルーイ、ノンブアラムプー、チャイヤプムの9県。山あいの斜面・川沿いの低地が多い県名が並ぶ。
タイ気象局の24時間予報によれば、タイ北部・東北部・中部、そしてバンコクと首都圏でも局地的に大雨が降る見込みで、南部のアンダマン海側と東部では、それより一段強い「非常に強い雨」が予想される。要因として挙げられているのは、上アンダマン海とタイ国土を覆う南西モンスーン(มรสุมตะวันตกเฉียงใต้)の勢力強化と、ベトナム北部上空にかかる低気圧。タイの雨季らしい、教科書通りの気圧配置だ。
地質災害作戦センターは、リスクのある斜面・低地の関係機関に状況を近距離で見守るよう求めている。タイ語の警報文の中で「น้ำป่าไหลหลาก」という言葉が出てくるたびに、いつもなんとも言えない物々しさを感じる。直訳すれば「森の水があふれて流れる」だが、要するに、晴れていた山あいの集落に、上流の雨がいきなり茶色い濁流になって押し寄せる、あれだ。
ペッチャブーン県のカオコー、トラート県のコ・チャン、ルーイ県のチェンカンなど、対象9県には日本人にも馴染みのある観光地が含まれている。週末の山岳ドライブや島旅行を計画している人は、出発前に一度、ホテルや現地ツアー会社に天候を聞いてからの方が無難だろう。




