タイ東北部スリン県スリナロン郡トルアット村で5月18日、47歳の男サクリット容疑者が62歳の女性パーンさんを長さ約65センチの大鉈で襲い、頭部の致命傷で死亡させた。容疑者は前日の5月17日に薬物治療センターを退所したばかりだった。
通報を受けて駆けつけたスリナロン警察署のガン警察大尉らが現場の自宅に入ると、パーンさんは室内で血だまりに横たわっていた。容疑者は逃げず現場に残ったままで、凶器の大鉈とともにそのまま身柄を確保された。
引っかかったのは、現場に12歳の孫娘がいたことだ。少女は祖母が斬られる瞬間を見てしまい、「おばあちゃんが斬られるなんて思っていなかった」とショックで家を飛び出し、その後通報につながったという。タイ語の地方紙が短く伝える事件のなかで、この一行だけ手触りが違って読める。
タイの薬物関連犯罪では、容疑者が逮捕後に強制的な薬物治療プログラムに送られ、数か月で退所するケースが珍しくない。今回の事件で目を引くのは、その退所の翌日に凶器を手にした凶行に及んでいる点だ。動機は薬物の影響の継続なのか、被害者との以前のいざこざなのか、現時点では発表されていない。
スリン県はカンボジア国境に近いイサーン地方の県で、象祭りや古いクメール文化で知られる比較的のどかな農村地帯だ。日常的に物騒な事件が起きる場所ではないだけに、退所翌日の犯行という事実だけがやけに重く響く。
