タイ漁業局が2026年5月16日から「赤水期2569(フドゥ・ナム・デーン)」を全国で施行する。雨期初期の濁った増水期に淡水魚が産卵・繁殖期に入るタイミングを保護するための年次規制で、河川・水路・池・ダムなど全ての淡水域での漁業が原則禁止される。地理的に3段階で段階適用され、対象は全国77県の大部分。違反した場合は5,000〜50,000バーツの罰金または漁獲物価値の5倍が科される。タイで淡水釣りや川魚料理を趣味にする駐在員には知っておきたい規制だ。
「赤水期」は雨期初期の天然繁殖期
「赤水期(ฤดูน้ำแดง、フドゥ・ナム・デーン)」は、タイで雨期初期に河川が濁って赤茶色になる時期を指す。この時期は栄養豊富な雨水が流れ込み、ナマズ・コイ・テナガエビ・各種川魚が産卵を集中させる。タイ漁業局は毎年この時期に合わせて漁業規制を発令し、種の自然増殖を確保している。今年2026年の赤水期は5月16日から11月30日までの長期間にわたるが、地域別に開始・終了日が異なる3段階制になっている。
第1段階33県+ラムパオダム、5/16〜8/15
最初に始まるのは第1段階で、5月16日から8月15日まで。対象は北部・東北部・東部・中部の33県と、サコンナコン県のラムパオダム。比較的早い時期から雨期に入る地域で、最も早く魚が産卵期に入るエリアと言える。チェンマイ・チェンライ・コンケン・ナコンラチャシマ・チョンブリなどタイ各地が含まれる。
第2段階39県、6/1〜8/31
続く第2段階は6月1日から8月31日まで。第1段階の33県とは別の39県が対象で、ラムパオダムは除外される。第1段階より少し遅れて雨期入りする地域が中心で、産卵時期が比較的遅いエリアを反映している。
第3段階は南部5県、9/1〜11/30
最後の第3段階は9月1日から11月30日。対象は南部の5県のみで、パッターニ・ナラティワート・ヤラー・ソンクラー・パッタルンが含まれる。タイ南部はタイ湾側と西海岸(アンダマン海側)でモンスーン期がずれており、雨期入りが他の地域より遅い。漁業局はこの地域差を反映して、別期間に規制を適用している。
違反は最大5万バーツ罰金、釣り竿・小型網は例外
赤水期の禁止対象は商業漁業と娯楽漁業全般。河川・水路・池・ダムなど全ての淡水域が含まれる。例外的に許可される漁具は、(1)釣り竿、(2)口幅2m以下の網、(3)銛など限定的なものに留まる。タイ漁業法違反で罰金は5,000〜50,000バーツ、または漁獲物価値の5倍が科される。学術研究目的は事前許可申請で対応可能だ。
駐在員家族のチェックポイント
タイ駐在員家庭で釣りを趣味にしている場合、赤水期の規制は知っておきたい。北部・東北部のダム釣りは5/16から8/15まで禁止、中部・東部の主要釣りスポットは6/1から8/31まで禁止だ。家族と一緒のレジャー釣りでも、商業漁業と同じ罰金が適用されうるので、目的が「娯楽」だからセーフという解釈は通用しない。釣り竿1本での湖畔釣りは制限外だが、ダム本体での網漁・大量漁は完全禁止。タイ漁業局の公式サイトで自分の活動地域がどの段階に該当するか確認するのが現実的だ。タイの淡水魚料理(プラーチョン揚げ、プラーケー煮込み等)が好きな駐在員にとっては、市場の入荷量が一時的に減る期間でもある。