タイで2026年6月1日から、自動車・バイクのhire-purchase(割賦購入)とリース事業に対する新規制の第2段階が施行される。タイ中央銀行(BOT)と財務省が共同で進めてきた制度改革で、デフォルト金利の計算方法、支払い適用順、社内管理、外部委託の扱いに具体ルールが入る。タイで車を割賦やリースで購入している駐在員にも直接関わる規制で、契約書の読み直しが必要になるタイミングだ。
王命令でBOT監督下に、本体法はすでに12月施行
新規制の根拠は、財務省が公布した王命令(Royal Decree)だ。この王命令で、車・バイクのhire-purchase / リース事業が「金融機関事業法 B.E. 2551(2008)」の管轄下に入った。本体法は2025年12月2日に施行されており、今回6月1日に動き出すのは具体的な実務細則だ。これまで銀行とは別枠で運営されていた car / bike リース業界が、商業銀行・金融会社と同じ監督枠組みに統合される点が一番大きい。
6/1から動くのは「金利・支払い・内部管理・外部委託」の4項目
施行されるルールは大きく4つ。第1にデフォルト金利(遅延損害金)の計算方法、第2に支払いがあった時にどの債務に充当するかの適用順序、第3に公平なサービスを担保するための事業者の内部管理体制、第4に外部委託(アウトソーシング)の取り扱い。いずれも消費者と事業者の間で揉めやすかった領域で、ルールを文書化して画一的に運用させる狙いがある。
金利・手数料・APRの「全部開示」が義務化
事業者は店頭の掲示と各媒体の広告で、金利・手数料・APR(年率実効金利、Annual Percentage Rate)の計算方法を明示する義務を負う。同時に、契約条項を一方的に変更するような不当条項は禁止される。タイで車を買う際、表面上の月々の支払額だけを見て契約してきた人にとって、APRベースで他社と比較できるようになるのは大きな変化だ。
駐在員のチェックポイント
タイで車をリース・割賦購入している在住日本人は、6/1以降に契約延長や乗り換えを予定している場合、APRの明示と契約条項の確認を販売店に求めるのが現実的だ。タイのリース市場はTTB Leasing・Tisco・KKP等の銀行系と、トヨタ・ホンダ等メーカー系のキャプティブが混在する。BOTの監督下に入ることで、これまで非金融機関として運営されていた業者にも銀行並みのコンプライアンス義務が発生する。長期的には金利の透明化と過剰販売の抑制が期待される。