タイ・パタヤビーチで侵略的外来種「ブラックチンティラピア」が大量出現していた問題で、最初に動画通報した男性スタート・ウンガイェンさん(40歳)が5月14日、自ら投網で15キロ以上を獲って2品料理に仕立てた様子を再びSNSで公開、「ナイル・ティラピア(プラニン)と同じく美味しい」と試食レポートを発信した。生態系破壊の懸念が広がる中、「獲って食って減らす」という現実的な対処法をタイらしい食文化の流儀で示した形だ。在タイ日本人にとって、外来種駆除の家庭でできる側面を知る楽しい続報だ。
15キロ捕獲、ナイル・ティラピア風の味と評価
スタートさんはパタヤビーチで投網を再度実施し、ブラックチンを15キロ以上獲得した。獲った魚は自宅に持ち帰り、2つの料理に仕立てたという。
- ブラックチン蒸し + ジムジェオ・トマトソース:タイ東北部の魚料理ジムジェオに、トマトベースを加えたタレで蒸す
- ブラックチン唐揚げ:カリッと衣をつけて揚げる
調理中は良い香りが部屋中に広がり、食べた感想は「美味しい、ナイル・ティラピア(タイで一般的な養殖魚プラニン)と変わらない味」だった。
友人と再度パタヤ海で捕獲計画
スタートさんは続編として、友人らと一緒に再度パタヤ海で投網を実施する計画を立てている。「市場価値はないが、家庭料理で消費するなら十分な味」というメッセージで、フォロワー2万人超のFacebookページで動画を発信し続けることで、ブラックチン駆除の「楽しい側面」を地域住民に広げる狙いだ。
タイ民間で広がる「外来種を食って減らす」アプローチ
タイでは過去にも、侵略的外来種であるアフリカナマズ、ウォーキングキャットフィッシュ、シルバーティラピア、ピラニア(過去事例)などについて、駆除と食用化を同時に進める民間のアプローチが定着している。今回のブラックチンティラピアも、川や池の養殖逃亡個体が広がり続けて生態系への影響が懸念される中、「捕って食って減らす」が現実的なアプローチとなる。
ナイル・ティラピア(プラニン)との比較
ブラックチンは元々西アフリカ原産の魚で、養殖でタイに持ち込まれた後に脱走・繁殖した経緯がある。一方、タイで一般的な養殖魚プラニン(ナイル・ティラピア)は、寺院・養殖池・家庭で広く流通する馴染みの食材だ。スタートさんの「ナイル・ティラピアと同じ味」というコメントは、ブラックチンが料理素材として実用化できるという、現場発の評価として注目される。
在タイ日本人の食卓への含意
タイのスーパー・市場でナイル・ティラピア(プラニン)はよく見かける魚だが、ブラックチンが今後タイの食卓に並ぶ可能性も出てきた。料理方法は基本的にティラピア系と同じで、蒸す・揚げる・煮るのどれでも美味しく食べられる。一方、淡水・汽水・海水どの環境でも生存する適応力は、ティラピア類の中でも特に強い。買って食べる消費者の立場では「侵略的外来種だから駆除に協力した」という社会的意義もセットになる珍しい食材だ。