タイ・スラタニ県のパンガン島で進められてきた外国人ノミニー(名義貸し)摘発で、これまでに調査対象となった企業のうち実に68%に外国人の保有関連が確認されたと、英語紙Thai Examinerが5月14日に報じた。同日アヌティン首相が現地入りした際の発表で、警察300人が企業・土地区画・ビジネスを一斉に強制捜査した結果だ。日本人観光客に人気のパンガン島の経済構造が、外国人主導で動いていた実態を数字で示すデータとなった。
警察300人で企業・土地・ビジネスを一斉捜査
Thai Examinerによれば、アヌティン・チャンウィラクン首相のパンガン島着任に合わせ、計300人規模の警察官がパンガン島内の企業、土地区画、ビジネス施設を一斉に強制捜査した。これは「ノミニー(名義貸し)」を疑われている企業ネットワークに対する大規模な調査で、これまでの段階的捜査を上回る人員投入だ。
摘発対象企業の68%に外国人保有関連を確認
捜査の結果、対象企業のうち68%について「外国人保有との関連」が確認された。タイ法上、特定業種では外国人の株式保有比率に上限があり、それを名義人を立ててすり抜ける「ノミニー」が違法行為に当たる。68%という数字は、パンガン島の対象企業群の3社中2社以上が、何らかの形で外国人保有とリンクしていたことを意味し、地元経済の構造的問題として深刻だ。
5/13の現地視察と一連の対応
前日の5月13日、アヌティン首相はパンガン島のコ・パンガン・スクサ学校で住民集会を開き、「海岸は国民共有の財産だ」と明言。観光客の入域は歓迎する一方、地元住民の仕事を奪う形での外国人ビジネスは取締対象として残ると述べた。今回の300人摘発と68%の数字は、その方針を裏付ける実務面の動きとして位置づけられる。
在タイ日本人観光客・長期滞在者への含意
パンガン島はフルムーンパーティで知られる若者向けリゾート島だが、日本人滞在者も増えつつあるエリアだ。今後、観光関連事業者の所有・運営構造が今まで以上に厳しく問われる場面が増える見通しで、現地のホテル・レストラン・ツアー会社の運営主体に変化が出る可能性もある。長期滞在を計画する場合、宿泊予約の最新情報や代替プランの確認をこまめに行いたい。今回の摘発は、サムイ島・パンガン島周辺の観光経済が一時的に揺らぐ転換期にあることを示している。