タイ・ラチャブリー県ダムヌンサドゥアク郡の闘鶏賭博場が5月13日、警察と地方行政部の合同部隊50名以上に急襲され、賭客45人が逮捕された。ココヤシ畑が広がる地形を利用して一部は逃走したが、現場では闘鶏8羽や闘鶏用ケージ10個などが押収された。水上市場で日本人観光客にも人気のダムヌンサドゥアク近郊で、いまも非合法の闘鶏賭博が地下で続いている現実が浮き彫りになった。
警察50名以上で郡内ムー7に踏み込み
急襲を指揮したのは、ダムヌンサドゥアク警察署のプーポン・タプチャルン署長(警視)。捜査チーム、特殊作戦部隊(นปพ.)、地方行政部のスタッフを合わせた50名以上が同郡ドンクルアイ町ムー7の闘鶏場に踏み込んだ。現場では、賭客たちが闘鶏のリングを取り囲んで観戦している最中で、警察が姿を見せた途端「蜂の巣を突いたように」全員が四方八方に逃げ出したという。
45人逮捕、ココヤシ畑を抜けた一部は逃走
警察は逃げる賭客を追跡し、最終的に45人を確保した。ただし、闘鶏場の近くに広がるココヤシ畑が逃走経路として機能し、一部は捕まらないまま姿を消した。逮捕者は共同で違法に闘鶏賭博を行った容疑で、刑事手続きへ送られる予定だ。
闘鶏8羽・ケージ10個・賭博備品を押収
押収品は、闘鶏8羽、闘鶏用ケージ10個、ファイティングリング、椅子、賭けの記録帳(スマートフォンではなく紙のメモ帳が現役で使われていた)、その他の賭博備品一式。タイ各地で散発的に取り締まりは続いているが、現場の機材は決して廃れていない。
観光地ダムヌンサドゥアクの裏側
ダムヌンサドゥアク郡は、バンコクからの日帰り観光ツアーで人気の「水上市場」がある場所として日本人にもよく知られている。今回急襲された闘鶏場はその同じ郡内のローカルなエリアで、観光客が普段目にする市場とは別の顔だ。タイの闘鶏文化自体は地方部の伝統行事として根強いが、賭博目的の興行は違法。今回のように許可なく行われる興行は、いつでも警察の取締対象になる。
在タイ日本人にとっての含意
闘鶏賭博そのものに観光客が遭遇する可能性は低いが、地方の友人宅・親戚宅で「ちょっと見に行こう」と誘われた場合は、はっきり断った方が無難だ。摘発時には現場にいただけで賭博関与の疑いをかけられることもあり、外国人が巻き込まれれば、ビザ更新や駐在勤務にも実害が出かねない。地方部の伝統行事には、合法・非合法の境界がはっきりしないものが少なくない点は頭に入れておきたい。