タイ警察のコマンドー部隊(パブリック・プロテクション局/ปพ.)が5月13日、12年間にわたって逃亡を続けていた売春エージェントの男(41歳)をノンタブリー県内の住宅で逮捕した。男は2015年に19歳の女性をバンコクのホテルへ送り届けたとして売春防止取締法違反で起訴されたが、裁判中に保釈金を取って姿を消し、長期逃亡していた。摘発はタイ警察の長期逃亡者追跡能力を示す事例で、人身売買・売春斡旋のネットワーク捜査の流れに位置づけられる。
ノンタブリー県バンヤイ郡で身柄拘束
逮捕現場はノンタブリー県バンヤイ郡バンメーナーン町の住宅。コマンドー部隊(パブリック・プロテクション局/略称ปพ.)のティーラチャート・ティーラチャタンロン警視長の命令を受け、シーワウォン警部(同局第3課課長)とチャナバット警部補(捜査担当)が部隊を率いて踏み込み、41歳のアムリットさん(仮名)を逮捕状の番号に基づき身柄拘束した。
2015年の逮捕状、12年逃亡の末に
容疑者に対しては、トンブリー刑事裁判所が2015年8月10日に逮捕状(第285/2558号)を発付していた。罪状は性的犯罪(淫行)と売春防止取締法違反。事件のもとになった出来事は2015年4月15日に起きたとされる。男は売春仲介業者として19歳の女性を集め、バンコク・パシージャレン区のホテルで待つ男性客のもとへ送り届けたとされる。
「ただ送っただけ」と容疑を否認
逮捕後の事情聴取に対し、容疑者は「自分はただ女性をホテルへ送り届けただけで、売春仲介はしていない」と容疑を否認しているという。一方で警察側は、当時の証拠と被害女性の供述に基づいて2015年に逮捕状が発付された経緯を踏まえ、ネットワークの背後関係や他の関与者の有無を含めて捜査を継続する方針だ。
在タイ日本人にとっての含意
タイの売春斡旋関連の摘発は、観光地・繁華街のホテル周辺で散発的に行われており、外国人観光客が巻き込まれる場面も警察発表に上がっている。今回のように10年以上前の事案でも、逮捕状が生きている限り捜査対象として残る運用は、タイ警察の長期追跡能力を示す。バンコクや観光地のホテル滞在時、不審な勧誘・斡旋業者には近づかないという基本姿勢が、結果的に自分を守ることになる。