ノンタブリ県サイノーイ郡の市場で2026年5月3日朝、揚げ魚屋台主のパウォタイ氏(62歳、仮名)が、隣の米飯屋台主ナーン・ノイ氏(68歳、仮名)を「呪術ムチ」(高僧が祝福したと言われる鞭)で打って怪我させたとして事件化していたが、5月13日に加害者側が記者の取材に応じ「使ったのは荷物固定用のストラップだ。呪術ムチは使っていない」と否認した。妻のティタパ氏(61歳、仮名)とともに鮮魚屋台を営む元病院職員で、被害者の治療費を負担すると表明している。
5月3日朝の市場で起きた老婦人襲撃
事件はノンタブリ県サイノーイ郡の地元市場で5月3日朝に発生した。揚げ魚屋台のパウォタイ氏が、隣で米飯(カオゲーン)屋台を営む68歳のナーン・ノイ氏に鞭状のもので何度も打ち付け、負傷させた。加害者は「カッとなって我慢できずに切れてしまった。彼女を傷つけたことを反省しており、治療費を負担する」と陳謝している。
凶器は「呪術ムチ」か「ストラップ」か
事件報道では、加害者が高僧の祝福を受けた「呪術ムチ」(タイで呪文付きと信じられる聖具)を使ったと伝えられていた。しかし5月13日のパウォタイ氏の説明はこれと異なる。「私が打ったのは商品を固定する荷物用ストラップ。呪術ムチは使っていない」と主張し、ストラップの実物を記者に提示した。被害者側との認識のズレが事件の争点となっている。
加害者夫婦と被害者、屋台の隣接関係
加害者のパウォタイ氏は元病院職員で、現在は妻のティタパ氏とサイノーイ郡の市場で揚げ魚と鮮魚の屋台を営む。事件当日、夫婦は早朝から店を開け、ナーン・ノイ氏の米飯屋台の周辺も含めて掃除をしていたとされる。隣接する屋台同士で何らかのトラブルがあった末の暴力に至った経緯について、警察が捜査を続けている。
タイ独特の「呪術ムチ」、文化と事件の交錯
事件で話題になった「呪術ムチ」は、タイで高僧や呪術師が祝福した鞭状の聖具で、護身や厄除けの意味で持つ人がいるとされる伝統文化の一部。今回の事件では、実際に呪術ムチが使われたのか、それとも単なる荷物用ストラップだったのかが争点になり、被害者と加害者双方の主張が分かれた構図となっている。