タイ特別捜査局(DSI)とノンケー警察が5月11日午後3時10分頃、サラブリ県ノンケー郡の家の前でチナワット容疑者を逮捕した。容疑は、有名ホテルのWebページをコピーした偽サイトで宿泊予約代金を騙し取った詐欺事件への関与。流通した金額は2,000万バーツ(約9,200万円)規模に及ぶ。
手口はシンプルなのに、ホテル予約をネットで済ませる時代には地味に効いてくる類のものだ。本物のホテルのWebサイトをそのまま見栄えだけ複製し、被害者に「正規サイトで予約した」と思わせて宿泊代を送金させる。被害者が現地のホテルに着いた時点でようやく「予約が入っていない」と判明する、そういう構造らしい。
引っかかったのは、流れた金額のスケール感だ。2,000万バーツというのは、1件あたりの宿泊代では到底届かない数字で、相当な数の被害者がいるか、それなりの期間にわたって動いていた仕組みのどちらか、あるいは両方だろう。逮捕が一気にDSIマターになったのも、被害件数と金額が単独事件で済まない規模だったからと思われる。
DSIは法務省傘下の特別捜査局で、通常警察より広めの管轄を持つ機関だ。サイバー絡みや経済犯罪の大型案件で前面に出ることが多く、今回もそのパターンに乗っている。地元のノンケー警察と合同で動いた、というところに「地域警察 + 中央のサイバー部隊」という構図が見える。
旅行者・在留者目線で見ると、これは他人事にしにくい話だ。タイのホテル予約は今やほぼオンラインで完結する。ホテル公式サイトを装ったコピーサイト、SNS広告経由の「異様に安い直販」、検索結果に紛れ込む見慣れないドメイン。ぱっと見では区別がつきにくいものも多い。Booking.com、Agodaのような大手プラットフォーム、もしくは公式ドメインを自分で確認したうえでの予約に絞っておくのが、結局のところいちばん固い。被害に気付いた場合の通報先は観光警察ホットラインの1155。




