タイ東北部ルーイ県の国立公園プークラドゥンに2030年2月開業を目指すロープウェイのロードマップが、2026年5月13日にルーイ県のチャイパット・チャルーンポン知事の議長会議で発表された。徒歩9kmの登山が必要な人気山岳観光地のロープウェイ建設は、1980年代から40年以上議論されてきた計画で、観光開発局(DASTA、アポト)と県が共同で5段階の工程表を策定した。総工費は約10億バーツ(約48億円)、1日最大5,000人の輸送能力で計画されており、登山が困難な高齢者・障害者・小さな子どもを持つ家族の山頂アクセスを実現する。
ロードマップ5段階、2025年10月から準備開始
ルーイ県が示した5段階のロードマップは次の通り。第1段階(2025年10月-2026年5月)は調査の準備と許可申請、第2段階(2026年5月-12月)は環境影響評価(EIA)報告書の作成と建設設計の並行進行、第3段階(2027年1月以降)は検討と承認のフェーズだ。残りの段階を経て2030年2月の開業を見込む。当初は2027年完成も目指していたが、EIA手続きと許可の調整で開業時期が後ろ倒しとなった形だ。
総工費10億バーツ、1日5,000人輸送容量
プロジェクトの総工費は約10億バーツ(約48億円)で、輸送能力は1日最大5,000人。これは国立公園・野生動物・植物保護局(DNP)が設定した1日入山者数の上限と一致しており、過剰観光(オーバーツーリズム)による環境負荷を抑える設計となっている。建設の本格着工は2026年8月の予定。
40年以上の議論を経た決着、年間6-7万人訪問
プークラドゥン国立公園のロープウェイ計画は、1980年代から議論されてきた長年のテーマ。年間6万から7万人が訪れる人気の登山地で、特に山頂のテント泊と日の出は人気だが、徒歩9kmの登山が体力的なハードルとなっていた。地元住民は観光客増加による経済効果を期待し賛成派が多い一方、環境保護団体は「タイで最も美しい高原生態系の破壊」として反対してきた経緯がある。
雨季は閉鎖、在タイ日本人観光にも変化
プークラドゥン国立公園は、毎年の雨季の数か月間は自然回復のため閉鎖される国立公園局の方針があり、ロープウェイもこれに合わせて運休される見込みだ。在タイ日本人にとっては、これまで体力的に断念していたプークラドゥンの絶景を、家族連れや年配の親世代でも訪れられるようになる大きな変化となる。タイ国内旅行の選択肢としてのプークラドゥンが、2030年以降に再注目される展開となりそうだ。