タイ陸軍第2軍管区(タイ東北部担当)は2026年5月13日、SNS上で広まっているタイ・カンボジア国境での「領土喪失」のデマに正面から反論し、「タイは1平方インチたりとも領土を失っていない」と強く宣言した。発端は、地元の高僧「ルアンター・ユーン」とカンボジア兵の国境付近での接触報道で、一部で「国境道路建設でタイ領が失われた」と批判が広がったことを受けて、軍が公式に否定する形となった。
国境道路建設は「タイ主権の枠内」、領土喪失の根拠なし
第2軍管区の高官情報筋によれば、ルアンター・ユーン僧とカンボジア兵が接触した国境エリアは、両国間で明確に画定された境界線が存在し、双方が認識を共有しているという。タイ側が国境沿いに建設している巡回道路は、タイの主権領域内で行われており、カンボジア軍からの建設妨害もないと説明した。第2軍管区は「ネット上で広がる『領土喪失』のデマは事実無根。タイは1平方インチたりとも領土を失っていない」と強調する。
カンボジア軍基地は国境から100m、シューラナーリー部隊が調整
問題のエリアでは、タイ国境から約100m離れた地点にカンボジア軍の駐屯地があり、両国の軍が日常的に巡回・存在を確認している。タイ側はシューラナーリー(スラナリー)部隊が国境調整チームを通じてカンボジア側と継続的に対話しており、それぞれの軍が自国の主権領域内で活動するという原則を再確認している。
住民の生活権は維持、森林利用は可能
軍は併せて、地元住民が国境地帯の森林に入って生活物資を採取する権利は維持されると説明した。「ルンヨーチ氏(チャリオ氏、62歳)」など住民事例にも触れ、住民の通常生活への影響はないと強調している。軍・警察・行政の合同で国境エリアを継続的にカバーする態勢だ。
SNSデマ拡散の背景、高僧とカンボジア兵の接触動画が発端
事の発端は、地元の高僧ルアンター・ユーンがカンボジア兵と国境エリアで対話する様子がSNSで拡散し、これを「カンボジア軍がタイ領内に侵入している」「タイが領土を失った」と批判する投稿が広まったこと。第2軍管区はこれを正面から否定し、「いかなる外国勢力もタイ領内に侵入しておらず、軍は主権と国民の安全を全力で守っている」と国民に信頼を訴える内容となった。