2026年5月13日、バンコク都(BMA)が、ジャトゥチャク市場のタイ国鉄(SRT)への未払い賃料総額が13億3,806万バーツ(約65億円)に達することを明らかにした。BMAは現在控訴中でコロナ禍中の利息免除を申請しているが、最終的にSRTへ用地を返還する方針も並行して示している。返還後はSRT主導でジャトゥチャク市場を「ソフトパワー」化する構想で、バンコク観光の象徴的な週末市場の運営構造が大きく変わる可能性が出てきた。
BMAの未払い13億3,806万バーツの内訳
BMAがSRTへ支払うべき金額は合計13億3,806万バーツ(約65億円)。内訳は、判決金額として6億7,202万バーツが確定しており、これに判決後の追加利息・賠償金が加わって総額となっている。判決金額のうち元本は5億6,065万バーツで、3年6ヶ月27日分の賃貸料に相当する。判決日(2022年6月27日)までの利息は6,636万バーツ計上された。SRTの年間賃料は2018年閣議決定で1億6,900万バーツとされており、2018年から2022年までの未払いが訴訟の発端だった。
チャチャート知事「負債は支払う」、コロナ禍利息免除を控訴中
チャチャート・シーティパン知事は、「負債は当然支払う必要がある」と支払い意思を表明したうえで、現在控訴の手続き中であることを強調している。控訴の主な論点は、コロナ禍(2020-2022年)中の利息免除請求。コロナで市場が実質的に営業停止状態だった期間について、賃料免除や利息減免が認められるべきとの立場だ。
SRTへ用地返還、ジャトゥチャク市場の「ソフトパワー」化方針
BMAは、訴訟の解決と並行して、市場の用地をSRTへ返還する方針も明らかにした。返還後はSRT主導でジャトゥチャク市場を「ソフトパワー」コンテンツとして再開発する方向で調整に入る。週末市場の観光価値とタイ文化発信地としてのブランディング強化が再開発の主軸。具体的なタイムラインや既存露店業者の取り扱いは今後の協議で詰める。運営主体がBMAからSRTに移ることで、市場のガバナンス構造が変わることになる。
バンコク観光・在住日本人への影響
ジャトゥチャク市場は週末ごとに多くの客を集めるバンコク観光の定番スポットで、在タイ日本人にとっても買い物・食事・週末散歩の選択肢として馴染み深い。運営主体の交代やリノベーションが進む場合、出店ルールや家賃改定、施設改修などが行われる可能性がある。頻繁に訪れる人にとっては、サービス・店構え・休業日程に変化が出るかどうか、SRTの再開発計画の進捗を当面注視する必要がある。