2026年5月13日、タイ警察庁は266人の警察官を動員し、スラタニ県パンガン島で「外国人ノミニー摘発」大作戦を展開した。サムラン・ヌアンマー副警察庁長官が指揮し、入国管理局警察、中央捜査局、地方警察第8管区、スラタニ県警察、パンガン警察、治安担当機関が合同で29箇所を一斉家宅捜索。タイ人名義で外国人が実質支配する243社のノミニーネットワークの解明を目指す。アヌティン首相のパンガン島視察と同日のアクションで、政府の外国人ノミニー対策が現場捜査段階に入った。
警察266人を6機関から動員、29箇所を一斉捜索
サムラン・ヌアンマー副警察庁長官とノパシン・プーンサワット警察少将が指揮を執り、警察庁主導の大規模捜査となった。動員された266人は、入国管理局警察、中央捜査局、地方警察第8管区、スラタニ県警察、パンガン警察、治安担当機関などから召集された合同チーム。29箇所の捜査対象は、元締め会社5箇所と外国人がタイ人名義で持つ「ノミニー会社」24社に分かれる。
押収対象は契約書・資金ルート・デジタルデータまで
家宅捜索の主な狙いは、タイ人名義の株式譲渡契約や会社書類、資金ルート、デジタルデータ、企業支配の証拠など、ノミニー関係を立証する証拠の押収だ。捜査の前段階で、タイ人を株主代理として使い、外国人が実質的に企業を支配していたパターンが多数確認されたという。家宅捜索ではこれらの紙・データ両面の証拠を一斉に押さえに行く形となった。
243社のノミニーネットワーク
今回の作戦の中核は、243社にのぼる外国人ノミニー疑いネットワークの解明。これら243社は、5箇所の「元締め会社」を介して関連しているとされ、株主のタイ人を入れ替えながら同一の外国人が複数の会社を実質支配する典型的なノミニー構造が指摘されている。パンガン島はリゾート地としての外国人需要が高く、ノミニーを用いた土地・不動産・観光業の実質支配が長年問題視されていた。
アヌティン首相のパンガン視察と同日アクション
今回の警察作戦は、アヌティン首相が同日11時にバンコクのドンムアン軍空港を出発しパンガン島へ向かった視察と連動している。首相は現地のパンガン島学校で外国人ノミニー問題の状況をヒアリングし、警察の現場捜査と政府高官の政策メッセージを同時に発信する形になった。タイ政府は5月初めに発表した「全国ノミニースキャン」(外国人関与の11,426社調査)の現場展開を、観光地パンガン島で本格的に始動した格好だ。