タイ・ラチャブリ県ムアン郡で2026年5月9日、お粥と魚の屋台店主であるカイ氏(44歳)が、オンラインアプリで購入した「天然抽出物」を謳う毛染め剤を使用したところ、翌朝に頭皮が腐ったような状態となり、毛根からリンパ液が滲み出て顔がむくむ深刻な皮膚トラブルに陥った。タイ保健省の調査で当該製品は食品医薬品局(FDA)への登録がない無認可品と判明し、被害者がFacebookで体験を投稿すると瞬く間にSNSで拡散。在タイ日本人にとっても、オンライン購入の化粧品・医薬品への警戒が改めて求められる事例となった。
5月9日夜の毛染め使用、翌朝の悲惨な状態
カイ氏は44歳、ラチャブリ市内でお粥と魚の屋台を営む店主。「ある人気アプリで天然抽出物を使った毛染め剤を見つけ、価格も安かったので注文した」と説明する。5月9日に使用し、頭全体ではなく毛根・前髪・もみあげ部分のみに塗布、約5分間置いて洗い流した。翌朝起きると、頭皮はショック状態でリンパ液が滲み出て、顔がむくみ、塗布した付近の耳や肌が激しい痒みとヒリヒリ感に襲われた。
病院で抗炎症薬、白いガーゼで頭を包む状態が続く
カイ氏は病院で診察を受け抗炎症薬を処方されたが、症状はなかなか引かない。リンパ液の滲出が続くため、頭を白いガーゼで包み続けなければならない。夜は枕に触れるだけで激痛で寝ることもできず、「髪は全部抜けてしまった。どうしたらいいのか、誰か助けてほしい」とSNSに投稿した。記者が5月13日に取材した時点でも、頭にガーゼを巻いた状態が続いていた。
保健省検査で「未登録製品」判明、FDA未認可
保健省が問題の毛染め剤を検査した結果、タイ食品医薬品局(FDA)への登録がない無認可製品であることが判明した。オンライン販売プラットフォームでは「天然抽出物」「肌に優しい」などの表示で安価に売られていたが、化粧品としての安全性審査を経ていないため、皮膚への重大なダメージを引き起こす成分が含まれていた可能性が高い。
タイのオンライン購入リスク、在タイ日本人も注意を
タイではオンラインアプリやマーケットプレイスで、食品医薬品局(FDA)への登録がない化粧品・健康食品・医薬品が紛れ込むケースが繰り返し報じられてきた。「天然」「ハーバル」「皮膚に優しい」と謳いながら、実際には強アルカリ・酸化染料・パラフェニレンジアミン(PPD)などのアレルゲンが含まれている例もある。在タイ日本人は、毛染めやスキンケアをオンラインで購入する際、FDA登録番号を必ず確認し、知らない販売元から低価格製品を買うのは避けたい。