FBI(米連邦捜査局)に指名手配されていた58歳の米国人男性ジョセフ・フランシス・チノック容疑者(別名ジョセフ・ケリー)が5月13日、チェンマイのニマンへーミン12通りにある高級コンドミニアムで身柄を拘束された。容疑は米国内での暴行3件と、子供・女性に対する性的ストーキング3件の計6件。米大使館はパスポートを無効化済みで、タイ警察は国外退去手続きを急いでいる。チェンマイの長期滞在エリアに、米国警察から逃れた指名手配犯が紛れ込んでいたという事実は、在タイ日本人にも他人事ではない治安情報だ。
FBIからの緊急情報、タイ警察が踏み込み
逮捕を発表したのは、タイ警察本部の広報官であるトライロン警視長。国家警察長官キティラット・パンペット警視総監が「越境犯罪と不法滞在外国人を徹底掃討せよ」と指示した方針のもと、入国管理警察(สตม.)と中央捜査局(CIB)の捜査チームが合同で踏み込んだ。摘発のきっかけは、タイ国内に駐在するFBIからの緊急情報。「米国当局が指名手配中の極めて危険な人物」として身元情報が共有されたという。
暴行3件+ストーキング3件、米国で起訴済み
容疑者は米国内で暴行3件と、子供・女性へのストーキング(性的脅迫を含む)3件、計6件の罪で指名手配されていた。米国当局がこの種の犯罪を「社会に対する重大な脅威」と分類するレベルの事案で、米大使館はすでに容疑者のパスポートを無効化する措置を取った。タイ国内での身柄拘束後は、すみやかに米国へ送還する方向で調整が進んでいる。
チェンマイの高級コンドに3月末から潜伏
警察の捜査によると、容疑者はおよそ3月末にタイへ入国し、チェンマイ市スタープ区のニマンへーミン12通りにある高級コンドミニアムに潜伏していた。ニマンへーミンはチェンマイ随一のおしゃれエリアで、欧米のリモートワーカーや長期滞在者が多く集まる場所だ。指名手配犯が「外国人が目立ちにくい」エリアを選んで隠れていた構図が浮かび上がる。
在タイ日本人が頭に入れておきたいこと
ニマンへーミンや旧市街周辺は、日本人駐在員や留学生・長期滞在者にとっても定番の生活エリア。コンドミニアムの隣人や同じカフェ・コワーキングを使う相手の身元までは普通分からないが、不自然に他人を避ける外国人、子供や女性に過度に関心を示す人物には、地元住民として警戒する余地がある。今回のケースは、タイ警察が国際捜査機関と連携して本気で外国人犯罪者を追っている動きの一例でもある。チェンマイ在住者は地元警察・大使館への通報ルートを把握しておくと安心だ。