タイ観光・スポーツ省のスラサック・パンチャロンヴォラクン大臣が5月12日、2026年1月1日から5月10日までの外国人観光客累計が1,240万人に達し、観光収入が6,000億バーツ(約2兆7,600億円)を超えたと発表した。中国観光客が200万人に到達してトップを維持し、マレーシア・インドが2位・3位に続く。
上位国の内訳
大臣発表によると国籍別の累計1位は中国の200万人超で、タイへの外国人旅行者の約16%を占めた。2位はマレーシア、3位はインドで、インド系旅行者の増加が顕著だ。
タイ観光局(TAT)は2026年通年の目標を3,000万人に設定している。5月10日時点の1,240万人は約40%の進捗で、ペース的には目標に届くかが問われる状況だ。
当週は前週比21%減
5月第2週(5月5日から10日)の1週間で入国した外国人は47万2,757人にとどまり、前週比で21.42%減少した。1日平均は6万7,537人だった。
大臣はこの急落の主因として中東情勢の悪化を挙げた。イスラエルとパレスチナの紛争が再燃し、中東からの観光客が計画を変更したほか、欧米やアジアでも旅行自粛ムードが一部で広がったとみられる。
6,000億バーツの観光収入
観光収入の6,000億バーツは前年同期比でどの程度の変化かについての詳細は発表されなかったが、2025年通年のタイの観光収入が約2兆バーツ程度だったため、今回の数字は約3割が5月10日時点で積み上がった計算になる。
中国人旅行者1人あたりの消費額はコロナ禍前と比べて減少傾向が続いているとの指摘もある一方で、インド・中東・中央アジア系旅行者の高単価消費が収入を下支えしているとされる。
タイ観光の課題
タイ観光業界は燃料費高騰による国内交通費の上昇、人気スポットへの集中が続く混雑問題、PM2.5による北部・チェンマイ地域への敬遠傾向などの課題を抱える。政府は多様な目的地の認知向上と長期滞在者の誘致を目指す施策を並行して進めている。
外国人観光客依存度が高いタイ経済にとって、中東情勢のような地政学リスクは直撃要因となる。2026年後半の情勢次第では通年目標の下方修正もあり得る。

