タイ中部サムットプラカン県バンプリー郡ラチャテワ区の村裏にある大きな池で、2026年5月1日午後2時ごろ、2歳の男児が飼い犬を追いかけて池に落ち、溺死した。バンケオ警察署とルアム・カタンユー基金のレスキュー隊が駆けつけた時には、父親が水面に浮かぶ我が子を引き上げた直後で、すでに脈がなく、CPRも功を奏さなかった。
亡くなった男児の家族はカンボジア人の移民労働者で、両親は近くの労働者宿舎に住んでいた。父親の証言によると、男児は普段から母と一緒にこの池で水遊びをすることがあり、家で飼っている犬を追いかけて走り回るのが好きだったという。事件当日も父親が宿舎で食事を取っている間に男児の姿が見えなくなり、父親は「犬を追って池に行ったのではないか」と直感し、現場に駆けつけた。果たして男児は岸からやや離れた水面に浮かんでおり、父親は飛び込んで抱き上げたが、その時にはすでに息を引き取っていた。
母親は到着後、水浸しの遺体を抱きしめて声を上げて泣き崩れた。レスキュー隊員らも見守る中、悲嘆にくれる家族の姿が現場に長く残ったという。遺体は警察で検死された後、家族が引き取り、宗教儀式が営まれる予定だ。
タイの統計では、子供の不慮の死因として水辺事故は常に上位に入る。特に乾季が明け、雨季入り前後で池や貯水タンクの水位が深くなる時期には注意が必要とされる。地方の村や郊外の労働者宿舎周辺には、用水池や下水溝など子供が立ち入れる水場が多く、保護者の目が届きにくい瞬間に事故が起きやすい。タイ保健省は2歳前後の幼児について、屋外では常に手の届く範囲で見守るよう呼びかけている。
カンボジア人を含むタイの移民労働者家族にとっては、共働きや交代勤務で日中の見守りが手薄になる構造的な課題がある。労働者宿舎を抱える企業や住宅地では、池の柵設置や子供向け水辺安全教育の必要性が以前から指摘されているが、地方では対応が十分でないケースが多い。