(関連記事:副首相のドリアン1個100B激安ライブ案、経済学者は「農家の卸売価格を圧迫」と批判)
タイ副首相兼商務大臣のスパチー・スタンマパン氏は2026年4月28日午前9時50分、自身のFacebook公式アカウントで、人気インフルエンサー「ピムリーパイ」によるドリアン1個100バーツのライブ販売をめぐる批判に対して反論を投稿した。今年のドリアン生産量が前年比33%の増加見込みであることを示し、Live Commerceは過剰供給を捌くための販売技法だと位置づけた。
スパチー氏はまず、市場価格が現状でも良好な水準を保っていると説明した。具体的には輸出向けの上位グレードであるAB級が1キロあたり135-150バーツ、その下のC級が同90-100バーツで取引されており、卸売の相場が崩れているわけではないと指摘した。1個100バーツのライブ販売は、こうした正規市場と並走する「もう一つの販売チャネル」だという主張である。
増産規模については、2026年のドリアン生産量が前年比で33%増えるとの見込みを商務省が把握していると説明した。これだけの増加分を従来の中国向け輸出と国内の店頭販売だけで吸収するのは難しく、Live Commerceを通じた直販を加えなければ「滞留在庫」となって農家を苦しめると示唆している。
販売手法そのものについては、政府が一律に方針を出すものではなく「販売者ごとの技法」の問題だと位置づけた。ピムリーパイが選んだ1個100バーツのプライス設定は、彼女のチャネルの集客力と商品の等級を踏まえた個別判断であり、商務省が特別に支援したり禁止したりする領域ではないという論理である。
経済学者からの直接の批判には今回の投稿で名指しの反論はなく、市場価格と増産見込みの数字を提示することで「副首相が信号を出しすぎていない」と暗に示した格好だ。日本人の感覚では、副首相が個人Facebookで価格表を出して反論する場面自体が新鮮だが、タイの政策決定がSNSと連動している現状を象徴する一連のやり取りといえる。

