タイのタクシー、バイクタクシー、トゥクトゥク、電動バイク、フードデリバリーライダーなど公共有償交通5協会が2026年4月28日、首相府ゲート5前のラチャダムヌン中央道路で合同抗議行動を起こし、首相に6項目の要求書を提出した。配車アプリへの規制強化と政府主導の公式配車アプリ開発、タクシー車齢上限の延長などを求めており、燃料価格の高騰と既存規制で生活が立ち行かないと訴えている。
抗議に参加したのは公共タクシー運転手職業協会、公共有償運転手チーム協会、タイ国二輪車有償運転手協会、電気バイクEV有償運転手協会、タイライダー(フードデリバリー)協会の5団体。代表として要求書を提出したのはウォーラポン・ケムクントーット氏である。
5協会の主張は、タクシー、バイクタクシー、トゥクトゥク、有償乗用車などの運転手が、燃料価格の継続的な上昇と既存制度のずれによって収入と職業の存続が圧迫されているというもの。デジタル配車アプリが市場で力を持つ一方で、運転手側の負担とアプリ事業者の責任のバランスが取れていないという声が広がっている。
要求書の6項目には、まず「デジタルプラットフォームに対する公平で厳格な法執行」が掲げられた。タイ国内で運営する配車アプリで法令違反があった場合の罰則を明確化することと、政府主導で公式の有償交通アプリを開発することも盛り込まれている。さらに有償交通関連の法律と省令を更新し、運転手のコスト削減と職業機会の拡大につなげる方針を示した。
具体的な制度改正としては、現行で9年と定められているタクシー車齢の上限を延長し、車両買い替えコストの圧迫を和らげる案が提示された。日本の感覚では、タクシードライバーがデジタル配車アプリへの規制を求めて首相府前に押しかける動き自体が新鮮だが、タイでは公共有償交通の生活基盤と新興プラットフォームの摩擦が表面化しており、燃料価格の上昇局面と重なって賃金問題が政治イシュー化している。