タイ・カンボジア国境のシーサケート県チョンチャムテ近くで4月24日に撮影された動画が25日に公開され、カンボジア軍が境界線近くまで前進して青い布(防虫ネットに似る)を見える位置に張る挑発行動を取っていたことが判明した。タイ軍は指揮系統を通じて大声で警告を発し、布の撤去と衝突回避を要請した。
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動画には、タイ軍が地域の管轄ラインで厳格な警戒陣を組む姿と、カンボジア軍が有刺鉄線沿いに集結し、近距離まで基地を移動させた様子が映っている。布は座標表示か境界の主張のように張られ、これまでの「通常の前線基地建設」を超える行動として現地のタイ軍指揮官は分析している。
タイ側は司令官レベルでカンボジア側に対し「互いに距離を取り、挑発行為を止めるべき」「衝突を誘発する行動は控えるべき」と直接呼びかけたことが報告された。指揮系統を通じた撤去要請は布が境界線を踏み越えるかどうかではなく、現地の緊張を高める意図がある行為という見方を示す。
実際の衝突や暴力には発展していないが、4月23日のタイ国家安全保障会議によるMOU44(海上境界画定の覚書)廃止後、タイ・カンボジア間では複数の国境ポイントで小競り合いが続いている。チャンタブリの国旗失踪事案、タイ国軍輸送車の動向監視など、4月だけで複数の摩擦が記録されている。
シーサケート県の国境地帯はカンボジアのプレアビヒア寺院近接エリアでもあり、過去にも軍事衝突が発生した経緯がある。チョンチャムテは民間人の往来が比較的多い地点で、緊張が高まれば貿易・通勤・通学の影響が直接出る区域である。
在タイ日本人にとって直接の影響は限定的だが、シーサケート県を含む北部カンボジア国境地帯への観光・通行は当面慎重さが求められる。日本人駐在員が多いプノンペン進出企業はバンコク本社との物流ルートをタイ・カンボジア国境陸路で維持しているケースもあり、状況の推移には注意を要する。