タイ・エネルギー省の代替エネルギー開発・保存局(DEDE)が23日、家庭の電気代に直結する「電気を食う家電トップ10」を消費電力ベースで計算して公表した。夏場のエアコンフル稼働とソンクラン後の物価高が家計を直撃する中、タイ国民に自宅の電気使い方を数字で見直してもらう狙いだ。
堂々の1位は瞬間式電気給湯器(ヒーター付きシャワー器)。本体の出力は2,500〜12,000ワットと幅広く、機種によっては1時間使用した場合の電気代が最大47バーツに達する。タイの家庭で朝晩のシャワー時だけ使う前提でも、毎日15分運転すれば月に350バーツ以上の請求につながる計算になる。
2位は洗濯機で、出力は約3,000ワット。1サイクル1時間程度の運転で約12バーツ。乾燥機能付きモデルはさらに消費電力が加算される。家族4人の家庭で毎日1回転させると、1ヶ月では約360バーツの負担だ。
エネルギー省は3位以下について具体的な数字を後日公開するとしているが、タイ国内の一般的な計算例では、1トン仕様のインバータエアコンが1時間あたり8〜10バーツ、電子オーブン・電気調理器が高出力時で15〜20バーツ、ヘアドライヤー・アイロンといった瞬間負荷の高い家電が10バーツ前後で並ぶ。24時間稼働の冷蔵庫は1時間単価こそ1〜2バーツだが、常時オンで積み上がる月額では無視できない数字になる。
実際のタイの家計試算では、バンコクの一般的な分譲コンドで月の電気代が4,000〜6,000バーツのレンジに収まることが多い。そのうちエアコンが半分以上、給湯器と調理系家電が合計で2〜3割、照明と冷蔵庫が残りというのが標準的な構成だ。
節約の実務的なポイントは3つ。まず瞬間式給湯器は使う時間を家族で決め、ぬるま湯で済む季節は出力を下げる。次にエアコンはフィルターの定期清掃で消費電力を5〜10%削減できる。最後に洗濯機は「1回で満杯にする」「お湯洗いを冬季に限定する」ことが効く。
タイ駐在の日本人家庭にとっても、電気代は目に見えてじわじわ上がっている項目だ。バンコクのMEAや地方のPEAの請求書をそのまま払うだけでなく、「家電の消費電力×使用時間×単価」を意識して1時間あたりの金額を把握しておくだけで、家族の使い方を話し合う際の共通言語ができる。
エネルギー省のDEDEは、今回のランキングを含む家庭用省エネガイドをウェブサイトとSNSで公開しており、省エネラベル付き家電への切替を促すキャンペーンも並行して進めている。猛暑と円バーツ換算の家計圧迫が同時に来ているこの時期、家電1つ1つの電気代を数字で見直す余地は、駐在員世帯でも十分残っている。